福岡県苅田町で理髪店を営む庄野新一さん(77)が、60歳から趣味で続けてきたウォーキングで、今年5月に累計10万キロを達成した。地球の赤道の長さ(4万キロ)に換算すると、2周半に相当する距離だ。
きっかけは常連客の指摘
ウォーキングを始めたのは、60歳だった2009年3月。当時は体重88キロの肥満体形で(現在は64キロ)、常連客から「このままでは病気になるぞ」と指摘されたことがきっかけだった。もともと体を動かすことは苦手だったが、やり始めたことはとことん追求する性格で、それまでの釣りやゴルフ同様、ウォーキングにのめり込んでいった。
毎日午後8時頃に就寝し、未明に目を覚ますとそのまま歩数計を持って歩き出す。時間は午前2時頃だったり同4時頃だったりとまちまちで、行く先も気分によって山側に向かってみたり、海側を歩いてみたりする。帰宅後、同8時半に理髪店を開店させて夕方まで仕事をした後、その日2回目のウォーキングに出発する。当初は1日10キロを目標に歩いていたが、次第に1日20キロを超えるようになった。
17年間の記録と目標達成
きちょうめんな性格で、歩いた距離や出発時刻、どこを歩いたかといった情報をノートに毎日記録し続けている。ある日、客から「あんた、地球1周はしてるんじゃない?」と言われ、地球の赤道の長さが4万キロだと意識するようになった。
2023年9月に地球2周分の8万キロを達成後、最終目標に10万キロを掲げた。友人から酒に誘われても、歩き終えて2次会から参加。唯一歩かなかったのは10年前に尿道結石のため病院で治療を受けた日のみで、翌日には再び歩いたという。
支えた妻への感謝
17年をかけ、今年5月16日に10万キロを達成し、歩くことは「やり切った」と語る庄野さん。新たな目標は掲げていないが、以降もペースを落としながら毎日歩いているという。
庄野さんを見守り続けた妻(78)は「働きながら雨の日も風の日も一日も休まずによく歩き続けたと思う。『よく頑張ってる』と心の中で応援していた。大変なことをやり遂げて自分のことのようにうれしい」と語る。
庄野さんも「自分のわがままに一度だって反対せず、毎日『おかえり』と迎えてくれた女房には感謝しかない」と話し、「これからは妻のそばで孝行していきたい」と穏やかな表情を浮かべた。



