2900年前の貴重な耳飾り出土、重文クラスか さいたま・真福寺貝塚
2900年前の耳飾り出土、重文クラスか さいたま・真福寺貝塚

さいたま市教育委員会が進める国指定史跡「真福寺貝塚」(岩槻区城南)の発掘調査で今年7月、縄文時代晩期(約2900年前)のものとみられる耳飾り(ピアス)が出土した。国内で完全な形で発掘された耳飾りは5例ほどしかなく、うち2例は国の重要文化財に指定されているだけに、今後の評価が注目される。

発掘調査100年目の「奇跡的」な出土

発掘調査開始から今年で100年という節目での出土に、関係者は「奇跡的」と興奮を隠せない。真福寺貝塚は、縄文時代後期から晩期の集落跡で面積は2万7648平方メートル。台地部の住居跡、貝塚、低地部の泥炭層からなり、この3要素が一体となって保存されている国内唯一の史跡という。

大正15(1926)年10月に同貝塚で日本初の学術的な泥炭層調査が始まって以来100年。断続的に行われてきた発掘調査では、多数の土器、石器、土偶、植物の種実などが出土。そのひとつ「みみずく土偶」(東京国立博物館蔵)は昭和32年に国の重要文化財に指定された。

精巧な透かし彫りと完全な形状

今回の耳飾りは、平成28年から行われている史跡整備に伴う発掘調査の最後として4月から始まった「N地点」(43平方メートル)で7月23日に出土。住居跡、貝塚、泥炭層のいずれでもない空白地帯の土坑(穴)に埋まった土に垂直に刺さった状態で見つかった。

市教委文化財保護課の有吉亮さんは「特徴的な模様を見て、完全な形なら重文クラスではないかとワクワクした」と振り返る。その後、周囲の土を回収するなど慎重に掘り進め、30日に取り出した。

耳飾りは褐色で直径最大8センチのほぼ円形。着装部のもっとも薄い部分の厚さは1ミリと軽量化が図られ、全体の重さは35グラム。クルミを輪切りにした断面のような装飾で、縄文時代晩期に特徴的な三叉文様など精巧な透かし彫りが施されていた。来月、披露も予定されている。