全国戦没者追悼式で、戦争の記憶を次世代に受け継ぐ10代の6人が青少年代表として献花した。新潟県長岡市の高校2年、金井里紗さん(16)は祖父の勲さん(86)、祖母の文子さん(80)とともに参列した。
曽祖父の戦死と祖父の思い
金井さんは、小学校や中学校で空襲や戦争の悲惨さを伝える戦災資料館を訪れたり、戦争について調べてまとめる学習に取り組んできた。同居する勲さんらと食卓を囲む際には、フィリピンのルソン島で戦死した曽祖父、徳七さん(当時32)の話を聞いてきた。
補充兵として動員された父の顔を覚えていない勲さんは昨年、ルソン島を訪れた。徳七さんが過ごした地域をたどると、戦死までの過程を体験したようで涙がこぼれた。勲さんは「日本が負けると分かっていながら動員されたんじゃないか。悲惨な戦争を繰り返しちゃならん」と力を込める。
平和への願いを込めて
金井さんは「戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えていくためには、私たち一人一人が戦争のことに関心を持たないといけない」と話し、追悼の思いと平和への願いを胸に、菊の花を手向けた。
最年少の参列者となった東京都の立原稜悠くん(3)の曽祖父、郡司幸三郎さんは昭和20年3月、フィリピンのミンダナオ島で戦死した。稜悠くんと一緒に参列した祖母、紀子さん(82)が生後数か月のときに出征した郡司さん。「優しくまじめで話し好きで、夏祭りの太鼓が好きだった」と母から思い出を聞いたものの、紀子さんは写真や言葉でしか父を感じることができなかった。
26歳で戦争未亡人となった母は、いつも「こうして雨風をしのいで布団の上に寝られるだけで幸せなんだよ!」と言っていたという。稜悠くんの母、泰葉さん(46)は、幼子との参列について「戦争の悲惨さを風化させず、忘れずに考えていってもらいたい。記憶に残るかどうかは分からない年齢だが、記憶にかすかにでも残っていたらいいなという思いで連れてきた」と話した。



