いびきや深酒、無理なマラソン――これらの習慣が40代以降の心臓を静かに弱らせている可能性がある。放置すれば心不全につながる恐ろしい「入り口」となり得るのが不整脈だ。しかし近年、カテーテルアブレーション(心筋焼灼術)の進化により、根本治療が可能になっている。
不整脈は心不全への入り口
「不整脈は、心筋梗塞のように突然死につながるものばかりではありません。脈が飛んだり、リズムが乱れたりしますが、日々の暮らしに大きな影響がないことも多い。でも、そうした症状を放置し続けると、心臓にダメージが蓄積していくこともあります」と専門家は指摘する。心不全になる前の段階で介入することが重要で、「家が燃え広がってから必死に消火するのではなく、火種のうちに確実に消しておくイメージです」と語る。
カテーテルアブレーションの進化
「心臓の手術」と聞くと胸を大きく開く大手術を想像するが、現在の不整脈治療は様変わりしている。足の付け根や首の血管からペン先ほどの細い管(カテーテル)を挿入し、異常な電気回路の発生源を焼灼して閉じ込める。これがカテーテルアブレーションだ。近年は半導体技術と3Dマッピング技術の発達により、心臓内部の電気の流れを立体的に可視化できるようになった。井上院長は「まるでGoogleマップやカーナビのようなもの」と表現する。異常な電気回路を正確に見つけられるため、治療の安全性も精度も劇的に向上した。「当クリニックでは、不整脈治療に特化して手術を行っているため、その熟練の技術と最新のハードウェアが組み合わさることで、麻酔開始から手術終了まで90分程度で終わることもあります」という。
40代から注意すべきNG習慣
いびきは睡眠時無呼吸症候群のサインであることが多く、酸素不足が心臓に負担をかける。深酒は心臓のリズムを乱し、心房細動のリスクを高める。無理なマラソンなどの過度な運動は、心臓に過剰な負荷をかけ、不整脈を誘発する可能性がある。これらの習慣に心当たりがある40代以上は、早期の検査と生活習慣の見直しが推奨される。



