梅雨の時期、体のだるさを感じる人は約7割に上ることが、20~60代の男女300人を対象としたアンケート調査で明らかになった。調査はインターネットで実施され、「よくある」(31.3%)と「ときどきある」(42.7%)を合わせて74.0%がだるさを感じると回答。「あまりない」は15.3%、「全くない」は10.7%だった。
梅雨の過ごし方とだるさの原因
梅雨の時期の過ごし方については、「家で過ごす時間が増える」が50.0%で最多。次いで「運動する機会が減る」(31.1%)、「徒歩移動が減る」(30.2%)、「動画やSNSを見る時間が増える」(27.9%)、「昼寝をすることが増える」(25.2%)と続き、外出機会の減少が生活パターンに影響を与えている。
だるさの原因として最も思い当たるものは「湿度の高さ」が37.8%で最多。以下、「気温差」(19.8%)、「気圧の変化」(14.4%)、「運動不足・活動量の低下」(10.8%)、「睡眠不足」(8.6%)、「食生活の乱れ」(4.5%)と続いた。気圧変化よりも湿度を挙げる人が多かった。
だるさ対策と医師の見解
だるさ対策として最も多いのは「十分な睡眠をとる」(47.7%)。次いで「水分補給を意識する」(31.5%)、「入浴する」(25.2%)、「散歩や運動をする」(24.3%)、「ストレッチをする」(23.9%)、「栄養バランスを意識する」(23.9%)。一方、「特に何もしていない」は14.4%だった。
医師の中路幸之助氏(医療法人愛晋会中江病院・内視鏡治療センター)は、梅雨のだるさは「気のせいではない」と指摘。低気圧、高湿度、寒暖差、日照時間減少などが重なり、自律神経への負担が蓄積されることで生じると説明する。特に気圧低下は内耳が感知し副交感神経を優位にし、眠気や倦怠感を引き起こす。また日照不足はセロトニン分泌を低下させ、気分の落ち込みにつながる。近年はこうした不調を「気象病」「天気痛」と呼ぶこともある。
湿度・気圧・気温差と運動不足の影響
湿度が高いと汗の蒸発が妨げられ体温調節が難しくなり、体内に熱がこもって疲労感が増す。東洋医学では「水滞」「湿邪」とされ、現代医学ではむくみや消化機能低下として説明される。気圧変化は自律神経のバランスを乱し、頭痛やめまいを誘発。さらに冷房使用で室内外の温度差が広がると「寒暖差疲労」が生じる。
運動不足も要因の一つ。活動量が減ると血流や代謝が低下し、疲労物質が蓄積。足の筋力低下はむくみを招き、日中の活動量低下は睡眠の質を下げ、翌朝の疲れが残る。外出機会減少で日光を浴びる時間が減り、セロトニン分泌低下にもつながる。
日常生活で実践したいセルフケア
対策の基本は自律神経のバランスを整えること。起床時間を一定にし、朝に光を浴びることで体内時計が整う。曇りでも屋外の光は効果的で、短時間の外出が推奨される。入浴はシャワーだけでなく、ぬるめの湯にゆっくり浸かることで副交感神経が優位になり、睡眠の質向上に寄与。深呼吸や軽いストレッチも有効。
室内環境は除湿や温度調整で快適に保ち、冷房の設定温度は外気との差を広げすぎない。食事面では、ビタミンB群、マグネシウム、トリプトファンを含む食品(豚肉、大豆製品、乳製品、バナナなど)を意識的に摂取。冷たい飲み物や食事のとりすぎは避ける。
セルフケアで改善するなら様子見で問題ないが、だるさが長引き日常生活に支障をきたす場合は注意。特に気分の落ち込みや意欲低下が続く場合は季節性不調の可能性がある。睡眠障害、強い頭痛、めまい、動悸、胸痛、むくみ、原因不明の体重減少などがあれば医療機関への相談を検討。持病がある人は症状悪化に備え、早めにかかりつけ医に相談するのがよい。受診先に迷う場合は内科が適切。



