転倒で寝たきりを防ぐたんぱく質食材、50歳過ぎたら鶏ささみ・もも肉を
転倒で寝たきりを防ぐたんぱく質食材、50歳過ぎたら鶏ささみ

高齢者が転倒し骨折すると、そのまま寝たきりになるケースが少なくない。リハビリテーション科医の安保雅博氏は、転倒は「不運な事故」ではなく「老化の結果」だと指摘する。加齢に伴う筋力・柔軟性・バランス能力の低下が転倒を引き起こし、要介護状態へとつながるという。

転倒が寝たきりを招くメカニズム

安保氏によると、高齢者の転倒に深く関わる体の問題は3つある。①筋力の低下、②柔軟力の低下、③バランス力の低下だ。特に筋力低下は肩甲骨周囲筋、脊柱起立筋、殿筋、大腿四頭筋で顕著に現れる。背筋が衰えると体をまっすぐ保てなくなり、重心が崩れて転びやすくなる。

柔軟力が低下すると筋肉や腱、靭帯が硬くなり、関節の可動域が狭まる。その結果、歩幅が狭い「ちょこちょこ歩き」になり、転倒リスクが高まる。バランス能力は平衡機能、筋力、可動域、反射神経、認知機能の総合的な要素で成り立っており、これらが衰えると軽いふらつきでも転倒につながる。

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高齢者の5人に1人が「やせすぎ」

安保氏は「高齢者の5人に1人が低体重(やせすぎ)であり、粗食が短命を招く」と警鐘を鳴らす。加齢による食欲低下や「粗食が健康」という誤った思い込みが、たんぱく質不足を引き起こす。筋肉量の維持には十分なたんぱく質摂取が不可欠であり、50歳を過ぎたら意識的に摂るべきだと強調する。

推奨する食材は、鶏のささみ・もも肉、豚や牛の肩ロース。これらの部位は良質なたんぱく質を豊富に含み、筋肉合成を促進する。また、理想的な食事バランスとして「主食:おかず:副菜=3:1:2」を提唱。主食にはご飯やパン、おかずに肉や魚、副菜に野菜や海藻を配分することで、栄養バランスが整う。

転倒予防のための具体的な対策

安保氏は、転倒予防には歩幅を広げる歩行を意識することも重要だと述べる。歩幅が狭いと転びやすくなるため、意識的に歩幅を広く取ることで筋力とバランス能力の維持につながる。また、適切な靴選びも重要で、かかと無しサンダルは絶対に避けるべきだという。

「転倒による骨折は、その後の人生を大きく変える。入院をきっかけに歩かなくなり、筋肉が減り、さらに転びやすくなる悪循環に陥る」と安保氏は警告する。予防策として、50代からのたんぱく質摂取と適度な運動を習慣化することが、死ぬまで歩ける体づくりの鍵だとしている。

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