出産を経験した母親は、喜びを感じる一方で、授乳や夜泣きなどによる不安を抱えることが多くなり、1日の中でも気持ちの揺れ幅が大きくなります。悩みを独りで抱え込んだ状態が続くと、心身に不調が生じるリスクが高まるため、周囲の支えが重要です。
産後の心身の変化とリスク
母親は出産で体にダメージを受け、回復には時間がかかりますが、実際には休息に専念するのが難しい状況にあります。思い通りに子育てができていないと感じると、自責感が強まることがあります。
不安や悩みを抱えた状態が2週間続くと、うつ病につながる可能性があります。周産期の心の健康に詳しい神戸女子大教授の玉木敦子さん(精神看護学)は「心に負荷がかかると、食欲の低下や不眠など、何らかの異変が起こります。しんどくなった時に表れる心身の変化を知っておくと、早く対処できます」と説明しています。
休息と相談の大切さ
母親は自分のことを後回しにしがちですが、時には周囲に協力してもらい、自分の時間を持つことが必要です。休息や気分転換により、心の負担が軽くなります。
また、悩みを抱え込まないことも大切です。産前から複数の相談先を見つけておくとよいでしょう。「ママ友」や子育て経験のある人に話を聴いてもらうと気が楽になります。
自治体の支援と社会の理解
自治体では、妊産婦に対する支援を行っています。専門的な知識がある保健師や助産師に相談したり、宿泊型や通所型の産後ケアを利用したりすることができます。担当の窓口に問い合わせてみてください。
玉木さんは、母親の心身の健康は、赤ちゃんを含めた家族の問題と捉えることが大事だと言います。「以前と比べて地域とのつながりが希薄になっており、子育てのサポートを得るのが難しい環境になっています。そのことを社会全体が理解し、子育てをする家族に寄り添ってほしいです」と話しています。



