肺がん新薬の治験を広島大病院などが開始、7~8年後の承認目指す
肺がん新薬の治験開始、広島大病院などが7~8年後の承認目指す

手術が難しい肺がんに対する新たな治療法の治験が、広島大病院(広島市南区)などで進められている。抗がん剤や放射線などの標準治療と並行して、副作用を抑えながら治療効果を高める新薬を投与し、がん細胞の抵抗力を弱めることで標準治療の効果を高めることを目指す。

対象は局所進行非小細胞肺がんの患者

治験の対象は、国内で年間約1万人いるとされる「局所進行非小細胞肺がん」の患者。肺がんの約85%を占める「非小細胞肺がん」のうち、遠隔転移はしていないものの、手術でがんを取り切るのが困難な状態だ。現行の標準治療では5年生存率は25%程度にとどまる。また、放射線の副作用により治療が必要な肺障害を発症するケースが約35%あるという。

新薬TM5614の特徴と治験の内容

治験では「TM5614」という新薬を標準治療と併用し、連日服用してもらう。TM5614は、抗がん剤などへの耐性を高めるがん細胞のたんぱく質を分解するとともに、放射線による肺障害を抑制する効果がある。広島大病院のほか、中四国・関西・東北の14病院と連携し、2028年3月までに計27人の被験者を登録して実施。がんが悪化するかどうかを1年間観察する。

治験の代表者のコメントと今後の見通し

治験の代表者である益田武・広島大病院特定准教授は「安全性や有効性が確かめられれば、最終段階の治験に入る。7~8年先の薬事承認を目指している」と話している。