子どもが誤飲した際、家庭で無理に吐かせようとするのは危険です。吐いたものが気管に入ってしまう危険があるほか、灯油やマニキュア、除光液などは吐かせることで症状を悪化させるものもあります。そのため、家庭で無理に吐かせることは推奨されていません。
一方で、「変わった様子はないから、そのうち便と一緒に出るだろう」と自己判断するのも危険です。誤飲したものによっては、症状がなくても速やかな対応が必要になることがあります。
誤飲に気づいたら「何を・どのくらい・いつ」を確認
誤飲に気づいたら、口の中に残っているものが安全に取り除ける範囲にあれば取り除きます。そのうえで、何を飲み込んだのか、どのくらい飲み込んだのか、いつ飲み込んだのか、現在どのような症状があるのかをできるだけ確認しましょう。
飲み込んだものによって、その後の対応は異なります。水や牛乳を飲ませる場合もあれば、何も飲ませないほうがよい場合もあります。自己判断で吐かせたり、飲み物を与えたりするのではなく、日本中毒情報センター「中毒110番」や医療機関などに相談し、指示を受けてください。
ボタン電池や複数の磁石はすぐ受診を
特に注意したいものの一つが、ボタン電池や磁石です。ボタン電池が食道などにとどまると、電流によって周囲の組織が傷つき、重症化する危険があります。使用済みの電池でも危険です。飲み込んだ場合はもちろん、「飲み込んだかどうかわからない」という場合も、直ちに医療機関を受診してください。
また、複数の磁石を飲み込むと、腸管を挟み込んで損傷する危険があるため、速やかな受診が必要です。
意識がない、けいれん、呼吸がおかしい場合は119番
誤飲後に意識がない、けいれんを起こしている、呼吸がおかしいなどの症状がある場合は、すぐに119番通報をしましょう。
飲み込んだものがわかっている場合は、同じ製品や容器、パッケージなどを受診時に持参すると、診断や処置の手がかりになります。
子どもの誤飲について、一宮西病院 総合救急部 救急科の部長で、小児科専門医、集中治療専門医、救急科専門医の資格を持つ瀬尾亮太先生は、次のように話します。
「まず、無理に吐かせようとしたり、自己判断で何かを飲ませたりするのは控えてください。まずは呼吸がおかしい様子があればすぐに救急車を呼んでください。気道に引っかかってしまっている場合には特に緊急性が高くなります」
「呼吸が落ち着いている場合には、何を飲んだかによって対応は変わってきます。電池や先の尖ったものの場合には、摘出が必要となる場合があります。また、タバコの誤飲も場合によっては胃洗浄などが必要になることがあります。最近増えている電子タバコは、加熱のために中に金属プレートが入っているものがあるので、注意が必要です。これらの誤飲では救急車ではなくても良いので必ず医療機関を受診してください」
「その他のものや誤飲したかどうかわからない場合には、誤飲した可能性のあるものを持参してもらえると、参考になる場合があります」
誤飲は「吐かせる」「様子を見る」と自己判断せず、何を、どのくらい、いつ飲み込んだのかをできるだけ確認し、自己判断で処置せず、わからない場合も含めて専門機関へ相談することが大切です。特にボタン電池など、症状がなくても急いで受診しなければならないものがあることも覚えておきましょう。



