大阪大と東京大などの研究チームは、日本人の大腸がん患者の約半数で、特定の腸内細菌が産生する毒素が発症に関与していることを明らかにした。胃がんに対するピロリ菌のように、この細菌の感染を抑えることで大腸がんの予防につながる可能性がある。研究成果は国際科学誌に掲載された。
国内患者の約半数に遺伝子変異
国内では大腸がんの患者が増加しており、部位別では最も多く、年間約15万人が診断されている。食生活の欧米化や生活習慣の変化などが要因とされるが、詳しい原因は分かっていない。
これまでの国際共同研究で、腸内細菌の一種である大腸菌が産生する毒素「コリバクチン」による遺伝子変異を持つ患者が、日本では欧米より多いことが判明していた。今回、チームが国内の患者183人について遺伝子変異の有無を調べたところ、44.8%にこの変異が見つかった。
若年層ほど割合上昇、予防法開発へ
若年層ほどこの割合は上がり、40歳未満で発症した患者では約7割に達した。
チームの谷内田真一・阪大教授(がんゲノム情報学)は「細菌が腸内に定着した経路を明らかにし、予防法の開発を目指したい」と話している。
がん研有明病院の河内洋・病理部長(消化管病理学)は「日本人の大腸がんの特徴が見えてきたのは興味深い。今後、保菌者の発がんリスクの解明がさらに進むことを期待したい」と述べた。



