厚生労働省が2025年に全国の病院で働く常勤医約1万3000人を対象に実施した調査で、通常の残業時間の上限規制である年960時間を超えて働いていた医師が全体の15%に上ることが明らかになった。2022年の約21%から減少したものの、依然として多くの医師が長時間労働を強いられている実態が浮き彫りとなった。
診療科別の残業時間超過率
診療科別に年960時間を超えた割合をみると、外科が25.1%と最も高く、次いで救急科が23.7%、産婦人科が22.8%、脳神経外科が18.7%となった。これらの診療科では、緊急手術や夜間対応などが多く、長時間労働が常態化しているとみられる。
働き方改革の現状と課題
2024年に始まった「医師の働き方改革」では、勤務医の残業時間の上限は原則年960時間と定められた。ただし、救急医療などに従事する勤務医については例外的に年1860時間まで認められているが、厚労省は2035年度末までにこの特例を廃止する方針だ。
厚労省は、医師の労働時間を減らすため、業務効率化につながる情報通信技術(ICT)の活用などを医療機関向けに支援している。来年度で上限規制の開始から3年が経過することを踏まえ、厚労省は7月13日に有識者検討会を設置し、調査結果を示した上で支援策の充実などについて議論を始める予定だ。



