フロリダの司書が語る禁書の現場「夢の職業」を追われた3年
フロリダの司書が語る禁書の現場「夢の職業」を追われた3年

米国では公共図書館や学校図書館の本が異議申し立てを受け、撤去される「禁書」が各地で起きている。多くの司書が疲弊し、退職に追い込まれる事態も発生。中でもフロリダ州とテキサス州は、学校で禁書が起きた件数が多い地域だ。

「夢の職業」だった司書の仕事

フロリダ州に住むジュリー・ミラーさん(45)は2023年まで公立高校の図書館司書だった。元々は高校教師で、図書館に司書がいるかどうかで生徒の学びが大きく変わると感じ、大学院で資格を取って司書になった。「まさに夢の職業」で、生徒の相談に乗り、学習を支援し、読書活動を企画していた。

2021年11月、校長からジョージ・M・ジョンソンの「All Boys Aren't Blue」(性的少数者の黒人作家による回顧録で、米国の多くの図書館で禁書の対象になっている)が問題だと告げられた。匿名の抗議があったようだ。根拠として示されたフロリダ州法は、学校の敷地内でポルノを配布したり、児童ポルノを作成したりする行為を取り締まるものだった。

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作品の文脈と性的同意の教育

ミラーさんは作品を改めて読み、高校図書館に置く意味はあると判断した。性的経験を書いた箇所や読んでいて居心地が悪くなる箇所もあるが、それらは読者を興奮させるために書かれたものではないという。著者は自分の経験を書く理由を「性的同意」とは何かを伝えるためだと説明している。

米国の学校では包括的な性教育が十分ではなく、多くは異性愛を前提にしている。同性愛やトランスジェンダーの若者には、自分に関係する情報がない。著者は経験を書くことでその空白を埋めようとしたとミラーさんは考えた。しかし校長は自ら異議申し立ての手続きを進めた。

退職に至るまで

ミラーさんは本では文脈が大事だと指摘する。異議申し立ての活動に翻弄され、2023年までに高校を去ることになった。退職に至るまでの経緯を本人が語っている。

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