パリを拠点に活躍するパティシエ、ニナ・メタイエさん(38)は、2023年に女性として初めて世界洋菓子・パン連盟の「世界最優秀パティシエ」に選ばれた。今年4月には東京に店を構え、いまだに男性中心の業界にあって「もし私が男性だったら、ここまで到達することはできなかったでしょう」と語る。
言葉のパレットから始まる創作
新作を考える際、メタイエさんは「ケーキを作る時、私は感情を伝えたいと思っています」と話す。まず白いボードいっぱいに、ケーキを通して伝えたい感情を表す言葉を並べるという。
例えば秋のデザートを作りたい場合、オレンジ色や茶色といった色み、温かさを感じる風味、森の音、落ち葉が舞い落ちる音などを並べ、「一種の言葉のパレット」を作る。そこから発想してレシピや食材を選び、最初の試作品を作る。
失敗を楽しむ創造性
「最初からうまくいくことはありません。何度もやり直します。思い描いたものが実現するまで、繰り返し」とメタイエさん。計画通りに進んだ場合についても語っている。
創造性というものは、うまくいかない瞬間にこそ最も発揮されるというのが、彼女の持論だ。