菅義偉氏、官僚の「不良外国人来る」反対を一蹴 訪日客4千万人の源流
菅義偉氏、官僚の「不良外国人来る」反対を一蹴 訪日客4千万人の源流

2025年に史上初めて4千万人を突破した訪日外国人客。その急増の源流には、ある政治家の存在があった。

官僚の反対を「一蹴」

2012年12月の第2次安倍政権発足直後、官房長官の菅義偉(後の首相)に官僚が詰め寄った。「ビザ(査証)を緩和すれば『不良外国人』が来て、犯罪が多くなります。やめて頂きたい」と。待ったをかけたのは、国内の治安を担う警察庁と法務省の官僚だった。

当時、日本経済は長いデフレ不況下にあった。一方、経済発展の波に乗ったアジア諸国では海外旅行ブームが始まっていた。当時の訪日客数は約830万人。菅は訪日客の受け入れ拡大を成長政策に据え、ビザ発給の要件緩和の検討に入った。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

「犯罪をなくすのが、君たちの仕事だろ」

仮に治安が悪化すれば批判の矛先は担当省庁に向く。反対を訴える官僚を、菅はこう言って一蹴したと、首相退任後の2022年12月、朝日新聞インタビューで語った。「犯罪をなくすのが、君たちの仕事だろ」

政権ナンバー2の官房長官は霞が関の人事権も含め、絶大な権限を持つ。加えて、各省のエース級が抜擢される長官秘書官には、のちに警察庁長官に就く人物もいた。当時、政権にいて菅に近かった人物は「二人はコインの裏表の関係だった」と振り返り、警察などからの反対の声は次第に収まったと語った。

首相も歩調を合わせる

首相の安倍晋三も菅と歩調を合わせ、観光立国推進閣僚会議などでインバウンド政策を推進した。霞が関との衝突もありつつ、懲罰的な人事で「調整」する場面もあったという。

この連載は、多民社会シリーズ「不安の正体」第3部として、インバウンド政策の源流とその政治的動きに迫る。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ