東武日光線新鹿沼駅(栃木県鹿沼市)で除草薬の散布作業をしていた作業員ら4人が特急列車と接触して死亡した事故で、最も早く特急の接近に気づいてほかの作業員に伝える役割の見張り員が、作業計画に基づいた位置にいなかったことが関係者への取材でわかった。
中継見張り員の役割と計画上の配置
東武鉄道によると、この見張り員は「中継見張り員」と呼ばれ、散布作業にあたって作業現場から約315メートル離れた踏切付近に配置される計画だった。本来は列車の接近に気づいたタイミングで旗を振り、作業現場近くにいる「列車見張り員」を通じて作業員に知らせる役割だった。
この見張り員は事故後の東武鉄道の聞き取りに対し、「現地にはいたが(列車見張り員と)意思疎通がとれなかった」と説明したという。
ドライブレコーダーに映らず、旗を振る姿も確認できず
しかし関係者によると、特急のドライブレコーダーには踏切付近には見張り員が映っておらず、旗を振っている様子も確認できなかったという。
東武鉄道によると、作業員が移動しているなど、作業中でない場合は中継見張り員を置く必要はない。事故当時が作業中だったかどうかはわかっていないが、特急はそのまま駅に侵入し、作業員4人と接触した。
運転士の説明と県警の調べ
運転士は列車見張り員から作業員の待避が済んだ合図が出されたことを確認して警笛を鳴らした、と東武鉄道に説明。特急の記録では、現場の約215メートル手前で警笛1回を鳴らしていたことが確認されたという。
県警は、中継見張り員や列車見張り員から事情を聴いており、列車の接近にあたって両者の間でどのようなやりとりがあったのか慎重に調べている。



