高市早苗首相にとって、9月中下旬に想定される内閣改造・自民党役員人事は、来年9月の自民党総裁選をにらんだ布陣となる。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査によると、内閣支持率は5月から7月にかけて3カ月連続で下落していたが、8月(8、9両日実施)は62.5%と微増した。
高市政権の支持率は高水準、保守層の支持強い
報道各社の調査で支持率が下がっていた際、高市政権に批判的な左派系メディアはこれ幸いと「支持率急落!」と喜々として書き立てていた。だが、冷静に見てほしい。歴代内閣と比較すれば依然として高水準であり、皇室典範改正を実現したことへの保守層の支持は高い。
高市首相がこの改造を利用して、政権のさらなる盤石化と、総裁選、そして再来年の参院選に向けた「攻めの布陣」を敷こうとしているのは間違いない。
安倍氏の反転攻勢、河野氏抜擢で支持率急回復
内閣改造を機に鮮やかな反転攻勢を見せた好例が、2017年8月の安倍晋三首相だ。同年7月の都議選で、自民党は57議席から過去最低の23議席へと大惨敗を喫した。ここで安倍氏は翌年の総裁選をにらみ、あえて自身と距離を置く「非お友達」であり、変人扱いすらされていた河野太郎氏を外相に抜擢(ばってき)した。
側近の懸念を押し切ったこの起用は、世論の意表を突く大サプライズとなり、直後の産経・FNN調査で支持率は9.1ポイントも急回復した。見事に危機を脱したのである。
橋本改造のトラウマ、佐藤氏起用で支持率急降下
一方で、自民党内でいまなお「最悪のトラウマ」として語り継がれるのが、1997年9月の橋本龍太郎首相による改造だ。ロッキード事件で有罪が確定していた佐藤孝行氏を、「派閥の論理」を優先して総務庁長官に押し込んだ。結果、世論の猛反発を招いて内閣支持率は急降下した。これが契機となり、翌年の参院選大敗と退陣につながった。



