西九州新幹線未整備区間の環境アセス合意、財政負担軽減など盛り込む
西九州新幹線未整備区間の環境アセス合意、財政負担軽減

西九州新幹線の武雄温泉駅(佐賀県武雄市)から九州新幹線までの未整備区間(約50キロ)について、佐賀県と国土交通省が2026年7月17日に交わした合意書の内容が明らかになった。合意書では、フル規格での整備に向けた環境アセスメント(環境影響評価)の実施に加え、整備における県の財政負担軽減や在来線の本数維持、佐賀空港や道路整備による地域振興に連携して取り組むことが盛り込まれた。

財政負担の軽減と特別配慮

財政負担に関しては、佐賀県が独自に1400億円以上と試算する整備費の負担について、一定の上限を設けるなど「特別の配慮」を行うと明記された。また、西九州新幹線の終点がある長崎県も全線開通による受益の程度を踏まえて負担することが「適当」とされ、負担のあり方を両県の協議で決定することなどが盛り込まれた。

全国新幹線鉄道整備法に基づく財源スキームでは、整備される沿線の自治体が費用を負担するため、未整備区間に関して長崎県に負担は生じない。しかし、国交省の水嶋智事務次官は17日の記者会見で「色々な仕組みの知恵がある」と述べ、柔軟な対応を示唆した。

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在来線維持と地域振興

在来線については、JR九州が長崎線と佐世保線について現行の経営形態を維持することを念頭に、本数維持について県と合意するよう、国が同社に要請するとした。地域振興のためには、佐賀空港の滑走路延長を念頭に置いた北部九州の空港のあり方の検討や、有明海沿岸道路と佐賀唐津道路の整備、佐賀市内の南北アクセスの充実などに国と県が連携して取り組むことを盛り込んだ。

新たな合意を前提に

合意書には、アセスを経てフル規格での整備に進む際は、財政負担、在来線、地域振興の各項目の具体化などを踏まえた「新たな合意」を前提とすることも記された。佐賀県は今後、国の後押しを受け、長崎県やJR九州と協議することになる。山口知事は17日の記者会見で「論点が整理され、議論の道筋が見えやすくなった」と語る一方、協議をまとめることは「簡単ではない。これから始まる道だ」と述べた。

与党検討委員会のメンバーである自民党の古川康衆院議員は18日、佐賀市内で報道陣の取材に応じ、「歩み出す方向性は明確になったが、どういう歩幅や速度でゴールに向かうかはこれからだ」と語り、早急に検討委の開催を求める考えを示した。

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