予算概算要求143兆円、高市政権の積極財政の真価問われる
予算概算要求143兆円、積極財政の真価問われる

令和9年度当初予算の編成作業が本格化する。各省庁の要望を受け付ける概算要求が8月31日に締め切られ、その総額は143兆円前後の見通しだ。これは過去最大だった昨年の122兆円強を大きく上回る規模で、高市早苗首相が一から手掛ける予算編成の特徴が早くも顕在化した形だ。

補正依存から当初予算へ、新たな投資枠も

高市政権は、年度途中の巨額支出が常態化している補正予算に依存せず、必要な施策はあらかじめ当初予算に一本化する改革を掲げる。さらに、成長につなげるため各省庁が上限なく要求できる新たな投資枠も設けた。これらの要因が要求増額につながったとみられる。

力強い経済を実現し、国民生活の安全・安心を向上させるため、必要な施策に十分な予算措置を講じるのは当然だろう。一方で、野放図な歳出は許されない。過大な要求はないか、十分な政策効果がないのに漫然と続けている事業はないか。それらを厳しく見極め、選択と集中を徹底することが肝要だ。

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事項要求や防衛費増額も、財源精査が課題

概算要求段階では金額を明示しない事項要求も多く、各省庁の要望はさらに膨らむ可能性がある。消費税減税や、大幅な増額が不可欠な防衛費なども想定される。税収の上振れなどに期待するばかりではなく、歳出の中身や財源を精査し、安易な国債発行への依存を避けなくてはならない。

木原稔官房長官は予算規模に関連し「7年度補正予算と8年度当初の合計額(140兆6千億円)からの増減をみることも一つの考え方だ」と述べた。新規国債発行額なら計41兆3千億円に上る。これらが9年度予算の仕上がりを評価する目安といいたいのだろうが、補正は中身よりも規模の大きさを重視して膨らみがちだ。その点を考慮しないわけにはいかない。

財政規律の緩みと市場の懸念

青天井の要求を認めたことによる財政規律の緩みも心配される。従来、認められなかったような大胆な支出を可能にする狙いはわかるが、費用対効果が二の次では問題だ。新たな予算を要求するなら、同時に既存の歳出の見直しも徹底すべきだ。

金融市場では高市政権の積極財政路線が財政を悪化させるという懸念がくすぶる。払拭できずに長期金利の上昇や円安の加速を招く事態は避けたい。成長と財政の持続可能性を両立させる首相の指導力が問われている。

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