個人情報保護の「同意原則」後退の背景は 本人の権利か社会最適か
個人情報保護の「同意原則」後退の背景は 本人の権利か社会最適か

個人情報を外部に渡すには本人の同意が原則必要とされてきたが、AI(人工知能)開発や統計作成のためなら同意は不要とする改正個人情報保護法が7月に成立した。「同意規制」が後退したのはなぜか。プライバシー保護などに詳しい森亮二弁護士に聞いた。

「安全例外」として設計された統計特例

個人情報保護法は、個人情報の第三者提供などの場面で、企業などに原則として本人の同意取得を求めている。このような「同意規制」は、本人のあずかり知らぬところで個人情報を勝手に使われることによる権利侵害を防ぐためのものだ。

ただ、例外もある。二つに大別すると、一つが研究など重要な目的に使う場合(公益例外)。もう一つは、個人情報が匿名化されるなど、権利侵害の危険がなくなる場合(安全例外)だ。

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統計処理前の安全に大きな穴

今回の統計特例は後者の「安全例外」として設計されたが、実際には、統計処理前の安全に大きな穴がある。なぜ止められなかったのか。背景には、「同意規制」自体への懐疑的な見方の広がりがあるように思えるという。

専門家の間では近年、本人の同意・選択をめぐる見方の対立が広がっている。本人の権利を重視する立場と、社会全体の最適化を優先する立場の間で、同意規制のあり方をめぐって議論が続いている。

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