米国政府は22日、イランとの協議を受けて、イランに対する制裁の一部緩和を発表した。J・D・バンス米副大統領は、イランが国際原子力機関(IAEA)の核査察を受け入れると主張したが、イラン側は態度を明確にしておらず、今後の実務レベルでの協議が注目される。
制裁一時停止と合意内容
米国とイランの代表団は今週、戦闘終結の最終合意に向けた初会合をスイスで開催し、ホルムズ海峡での不測の事態を回避するため、「通信回線」を構築することなどに合意した。これを受けて、米財務省は、制裁の対象としてきたイラン産の原油や石油製品などについて、生産、輸送、販売を8月21日まで認めると発表した。
協議終了後、米国の代表団を率いたバンス氏は記者会見で「我々は成功する最終合意に向けて非常に良い基盤を築いた」「最終合意は家そのものだ。家はまだ建てていないが、アメリカ国民にとって良い場所に到達するための基盤を築いた」と述べた。
核査察を巡る見解の相違
バンス氏は、イランがIAEAの査察官を再び受け入れることに同意したと述べ、「大きな節目でイランの恒久的な非核化に向けた第一歩」だと歓迎した。しかし、イラン外務省のエスマエイル・バカエイ報道官は、「核問題について非常に簡単な議論が行われたが、詳細についての議論はなかった」と述べ、核交渉はまだ始まっていないとした。
ドナルド・トランプ米大統領は22日、イランが週末ホルムズ海峡の再閉鎖を発表したが、海峡は現在「完全に開かれている」と強調した。「我々は交渉中だ。どうなるか見てみよう。しかし、我々には2つの成果がある。開かれた海峡と、核兵器を持たない国だ」と記者団に述べた。
資産解放と今後のロードマップ
イランのアッバス・アラグチ外相はSNSに「一部の凍結資産が解放され、イランのための大規模な再建・開発計画が開始された」と投稿したが、バンス氏は、資産はまだ解除されていないと強調。解除された場合でも、大豆などの米国製品を購入するために使用され、テロ資金には使われないと強調した。
仲介国のパキスタンとカタールによると、代表団は「60日以内に最終合意に達するためのロードマップ」に合意し、実務レベルの協議は今週、引き続きスイスで行われる。パキスタンとカタールは、今回の協議で、ホルムズ海峡の安全な航行の確保に向けた連絡体制を構築するなど、「励みとなる進展が見られた」と強調した。
今後の外交日程
実務レベルの協議が行われる中、マルコ・ルビオ米国務長官は、中東諸国を訪問する。国務省報道官によると、ルビオ氏は、ホルムズ海峡での「完全かつ自由で安全な通行を確保する努力」について意見交換する。一方、アラグチ氏を含めたイラン代表団はオマーンに向かい、「ホルムズ海峡を管理するイランの取り組みを安定させる両国の協力」について議論する。国営イラン通信(IRNA)が報じた。



