「無敵の七人」とは? 共和党の造反議員がトランプを包囲
アメリカ政治に新たなドラマが幕を開けようとしている。舞台は上院共和党。その中で、トランプ大統領の政策に異議を唱える7人の共和党議員が「無敵の七人」として注目を集めている。彼らは、映画『七人の侍』や『荒野の七人』さながらに、大統領の暴走を食い止める防波堤となるかもしれない。
現在、ホワイトハウスが要求しているイラン戦費876億ドルの補正予算が焦点だ。この法案は「兵士に弾薬を送らないのか」という論理で反対しにくいが、議会は「イラン戦争に反対する」態度を明確にしている。2027年度予算と一緒に通す方向だが、与党は予算調整措置(リコンシリエーション)を使えば上院50票で大枠を通せる。しかし、年間の歳出法案は12本あり、こちらは60票が必要で、ここで「無敵の七人」が鍵を握る。
財政規律と制度防衛:マコーネルの一貫した姿勢
ランド・ポール議員は「兵士には敬意を払うが、財政規律の問題は別だ」と主張。リサ・マコウスキ議員は「アラスカ州の基地は守るが、環境予算の削減は認めない」と抵抗する。無数の修正案が飛び交い、民主党議員も同調する構図だ。
重要なのは、ミッチ・マコーネル上院院内総務が単にトランプに反発しているわけではない点だ。マコーネルは2016年のトランプ当選以来、予算協力や「トランプ減税」成立、最高裁保守派判事承認(現在6対3)に尽力する一方、「1月6日事件」ではトランプを厳しく批判しつつ弾劾では有罪に賛成しなかった。この「共生関係」は、保守路線は後押しするが、ポピュリズムには抵抗し、議会制度を守るという一貫した姿勢に基づく。
建国の父たちが作った三権分立のシステムを守るため、トランプ政治が「チェック・アンド・バランス」の枠を超えようとするたびに、マコーネルは防波堤となってきた。今後2026年内の議会は、まさにその戦いの連続になるだろう。
『七人の侍』のラストシーンに重ねる現代政治
映画『七人の侍』のラストで、勘兵衛(志村喬)は「このいくさ、またも負け戦だったな」とつぶやき、「勝ったのは百姓たちだ。わしらではない」と言う。現代アメリカ政治の「無敵の七人」の物語の結末も、同じようなセリフが似合う。「勝ったのはアメリカの制度だ。わしらではない」と。
議会が予算を握り、最高裁が法解釈を預かる。大統領府の独走を許さない仕組みこそ、建国の父たちが描いた未来図だった。建国250周年のタイミングに合わせ、筆者は妄想を交えたストーリーを描いてみた。
(この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーが続く)



