小渕優子氏、税調副会長辞任へ 消費税軽減案に反発
自民党税制調査会のインナー(非公式幹部会合メンバー)の一人である小渕優子元選対委員長が、同会副会長を辞任する意向であることが6月25日に判明した。高市首相が主導する社会保障国民会議の実務者会議で、食料品の消費税率を2年間にわたり8%から1%へ引き下げる案が検討されているが、小渕氏はこれに公然と反発した形だ。
辞任の背景:首相と「おにいちゃん」の関係悪化
故・小渕恵三元首相の次女である小渕氏は、党の財政健全化推進本部の本部長代理を務め、財政基本問題小委員会の委員長として財政再建策の議論を主導した経験を持つ。一方で、高市首相の事実上の応援団である国力研究会には参加せず、距離を置いてきた。
小渕氏が「おにいちゃん」と呼び頼りにするのは、自民党参院幹事長の石井準一氏だ。石井氏は高市首相から「最も嫌われている人物」として知られる。両者の関係悪化の発端は、2026年度当初予算が年度内に成立しなかったことにある。予算編成を巡る対立が深まり、小渕氏の辞任につながったとみられる。
高市カラー一色だった自民党に亀裂
2月の衆議院選挙以降、自民党は「高市カラー」で染め上げられていた。国力研究会には自民党の衆参議員347人が入会し、5月の勉強会には米国のジョージ・グラス駐日大使を講師に招き、代理を含め277人が参加した。不満の声も一部で聞かれたが、公然と異を唱える者はほとんどいなかった。
しかし、小渕氏の辞任表明により、党内の亀裂が表面化した。高市首相の進める消費税軽減案は、財政規律を重視する小渕氏らにとって受け入れがたい内容であり、党内の分裂を象徴する出来事となった。
異例の会期延長と政権の行方
通常国会は6月15日で会期末を迎えるはずだったが、政府・与党は会期を7月26日まで延長する方針を固めた。理由として、改正政治資金規正法や公職選挙法改正などの重要法案の成立を目指すためと説明されるが、野党からは「大義がない」との批判が出ている。
高市首相と石井氏の関係悪化が続けば、参院運営に支障をきたし、法案審議が停滞する恐れがある。小渕氏の辞任はその前兆とも言え、政権崩壊の引き金となる可能性も指摘されている。
専門家の見解:党内融和が急務
政治アナリストの安積明子氏は、「小渕氏の辞任は、高市首相と石井氏の確執が政策面にまで影響を及ぼした典型的な例だ。首相は早期に関係修復に動かなければ、さらなる離反者が出るだろう」と分析する。
自民党内では、今後の政局を巡り、静かな緊張が続いている。高市首相のリーダーシップが試される局面であり、党内融和が急務となっている。



