トランプ氏、バイデン氏の恩赦は無効と主張 憲法論争に発展
トランプ氏、バイデン氏恩赦無効主張 憲法論争に

ドナルド・トランプ前米大統領は15日、ジョー・バイデン大統領が発令した恩赦や減刑について、自身が書面で承認しない限り無効であるとの主張を展開した。この発言は、米国憲法の解釈を巡り新たな論争を引き起こしている。

トランプ氏の主張の詳細

トランプ氏は自身のソーシャルメディア「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、バイデン氏が発令した恩赦や減刑は「無効、無意味、完全に効力がない」と断言。その理由として、自身が大統領としてこれらの措置を承認していないことを挙げた。同氏は「これらの恩赦や減刑は、私が書面で承認し、大統領令として正式に発令されるまでは法的効力を持たない」と強調した。

この主張は、バイデン政権がこれまでに発令した数多くの恩赦や減刑の法的根拠を疑問視するものであり、司法省や連邦裁判所の対応が注目される。トランプ氏は特に、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関連して有罪判決を受けた被告らへの恩赦について、自らの承認が不可欠だと示唆した。

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憲法解釈を巡る専門家の見解

憲法学者の間からは、トランプ氏の主張に対して批判的な声が相次いでいる。ハーバード大学ロースクールのローレンス・レッシグ教授は、「大統領の恩赦権は憲法第2条第2節に明記されており、大統領単独の権限である。前任者の承認は一切不要だ」と指摘する。また、ジョージタウン大学のジョシュ・チャフェッツ教授も、「トランプ氏の主張には法的根拠がなく、憲法の基本原則を誤解している」と述べた。

実際、米国憲法第2条第2節は「大統領は、合衆国に対する犯罪について、弾劾の場合を除き、執行猶予および恩赦を与える権限を有する」と規定しており、大統領の恩赦権はほぼ無制限と解釈されている。過去の判例でも、恩赦権は大統領の排他的権限とされてきた。

政治的影響と今後の展開

トランプ氏の発言は、2024年大統領選挙に向けた政治的なメッセージとの見方も強い。同氏は再選された場合、自身の支持者らに対する恩赦を積極的に行う意向を示しており、今回の主張はその布石とも解釈できる。一方、バイデン政権は公式なコメントを控えているが、司法省はトランプ氏の主張を法的に無視する方針とみられる。

この問題は、今後の司法判断や議会の対応次第では、憲法解釈を巡る新たな法的闘争に発展する可能性もある。専門家の間では、トランプ氏の主張が法廷で認められる可能性は極めて低いとの見方が大勢を占めている。

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