日本の美容業界は、技術力の高さにもかかわらず、中国や韓国のメーカーに押され気味だ。その復活の鍵を握るのが、国策として進められる「J-Beauty」戦略である。ジャーナリストの安積明子氏が、その全貌を明らかにした。
規制の壁が阻む革新
化粧品の有効成分の認可には長期間を要する。安全性の担保が目的だが、より高い効能をうたえる医薬部外品としての認可はさらに厳しく、新規開発の意欲を阻害している。また、韓国ドラマなどで広く行われるプロダクトプレイスメントも、日本では民放連の自主規制により「製品が映る時間をCM時間に含める」必要があり、活用が進んでいない。
省庁連携と国家戦略
こうした問題を解消するため、経済産業省と厚生労働省の連携を強化し、内閣府に担当部署を設置する構想がある。同部署が両省を包括した国家戦略を作成し、美容産業を統一的に推進する役割を担う。安積氏は「国内のパイを取り合う局面ではない」と強調する。
世界の需要を取り込む
日本の美容室や理容室のサービスは世界的に定評があり、訪日旅行者に体験を促し、日本製品の購入につなげる好循環を目指す。人気アニメのキャラクターとコラボしたネイルサービスなど、権利者にも利益が還元される仕組みづくりも進める。海外進出を希望する美容関係者への支援策も構想中だ。
成長産業としての展望
日本は人口減少に直面するが、アジアを中心とした世界の需要を取り込めば、美容業界は成長し、単価上昇と関係者の所得向上が期待できる。特に女性が多い産業であり、伸びしろは大きい。J-Beauty戦略は、こうした好循環を創出することを目標としている。



