自民党の石破茂前首相は26日のラジオ日本番組で、10月24日に施行される改正皇室典範について、「国民の総意になっていない」と異論を唱えた。他の複数のテーマを巡っても、高市早苗政権の姿勢を批判した。
皇室典範の論理的不整合を指摘
石破氏は、「新しい皇室典範は今の憲法とあまり齟齬(そご)がない、違いがないようにしなければならないが、いわゆる男女同権、職業選択の自由など基本的な人権が、皇族、なかんずく陛下はものすごく制限をされている。なのになぜそういうことが許されるのか。国民の総意をどこまできちんと考えたのか」と疑問を呈した。
改正皇室典範は先の特別国会で成立した。旧11宮家の男系男子が養子縁組で皇室に入ったり、女性皇族が婚姻後も皇族身分を保持できたりするようになる。「男系継承」の堅持が尊重される内容になっている。
これに関し石破氏は、「女系女子(が天皇)になると王朝が交代する(という意見がある)。日本の場合、王朝交代はないことになっており、そういうことをすると政治が乱れるのだ、という話がある。王朝の交代があってはならないので養子を迎えようというのは、論理がきちんと整合していない」と持論を述べた。
「もう一回きちっと整理する」
「ましてや、国民の総意になっていない」とも語った。世論調査の結果などを踏まえ、「これが国民の総意でございますと、なぜそう言えるのか」と批判し、「もう一回きちっと整理する。絶対男系男子でなければならないという人たちの主張こそ、よく勉強していかないといけない」と述べた。
メーンパーソナリティーの岩瀬恵子氏から「もう一度議論する、改正していくという立場か」と問われ、石破氏は「法律ですもん」と否定しなかった。
防災庁や追悼式の式辞にも不満
7月に熊本県で最大震度7を観測した地震に関連し、特別国会会期末に成立した防災庁設置法についても言及した。「高市政権のことだからどういう優先順位になったか私は分からないが、防災庁が一番先にできていたら、1か月先にできていただけでも違うことがある」と不満をにじませた。避難所の状況について「高市首相が視察に行ったところは『こんなによくしてもらって』みたいな反応もあったらしい。でもそうでないところもたくさんある」と指摘した。
石破氏はまた、高市首相が8月15日の全国戦没者追悼式の式辞で、石破氏が13年ぶりに復活させた「反省」の文言を踏襲せず、「インド太平洋の輝く灯台」になるといった思いを述べたことに不快感を示した。「日本人がアジアに行って(先の大戦について)『それ何のこと』みたいなことを言って信頼は生まれるのか。甘く見たらいかん。『アジアの灯台として』と、聞いてりゃ気分はいいが、本当にそうかいってことだ」などと述べた。
食料品の消費税減税についても、財源問題や物価高対策としての効果といった観点から、改めて慎重な立場を示した。



