皇室典範改正案が衆院通過、参院審議へ 世論との乖離と火種
皇室典範改正案が衆院通過、参院審議へ

皇室典範改正案が7月10日の衆院本会議で、自民、公明両党などの賛成多数により可決され、参院に送付された。政府が閣法として提出した同改正案は、①旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎える、②女性皇族が結婚後も皇室に残る——の2点を柱とする。特に「養子の男系男子の子孫には皇位継承資格がある」とする点が論議を呼んできた。週明け13日からは参院で各党協議が始まるが、野党第1党の立憲民主党は「賛成しない方針」(幹部)とされる。同改正案の「男系男子の養子案や、養子のもとに生まれた男子が皇位継承権を持つ」との内容を疑問視しているためだ。

参院特別委員長の人事変更

参院側では、皇室典範改正案を審議する特別委員会の委員長に松山政司・自民党参院議員会長を充てることで与野党が合意した。当初は中曽根弘文元参院議員会長の就任が有力視されていたが、同氏の「愛子内親王に関する不適切な発言」(自民党幹部)を受けて松山氏に差し替えられた。

審議の中継合意

衆院議院運営委員会は10日の審議に先立ち、与野各党が同改正案の審議をテレビやインターネットによる「中継入り」で実施することで合意した。自民党は「静謐な環境」づくりを理由に「中継なし」を主張していたが、「公開が原則だ」とする野党の反発を受け、8日に方針を転換した。2017年6月に成立した天皇退位特例法の審議も、衆院議運委と参院特別委でテレビ・インターネット中継された経緯がある。

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元宮内庁長官が指摘する「構造的欠陥」

こうした中、2012年まで約7年間宮内庁長官を務めた羽毛田信吾氏が9日までに共同通信の取材に応じ、現行の皇室典範には「2つの構造的な欠陥がある」との認識を示したことが注目されている。欠陥とは、皇位継承を男系男子に限る第1条と、女性皇族が結婚により皇室を離れるとする第12条の規定を指す。第1条については「これだけでは将来、皇室が絶える危険性が高い」とし、第12条については「皇族数が減り、皇室活動に支障をきたす」と指摘した。羽毛田氏の発言は、長年皇室の現場を見てきた立場からの重みがあり、今後の議論に影響を与える可能性がある。

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