元立憲民主党の青山大人前衆院議員(47)が産経新聞のインタビューに応じ、2月の衆院選で自民党候補に僅差で敗れた経緯や、立民出身者で唯一無所属で出馬した理由を語った。中道結党から分裂に至る一連の対応について「国民の感覚と大いにずれている。多分、全部だ」と批判した。
「選挙のための野合」と批判
青山氏は旧民主党の茨城県議を経て、平成29年10月の衆院選茨城6区で希望の党から出馬し初当選。前々回の令和6年10月の衆院選では3選し、自民の国光文乃氏に約1万3000票差を付け、選挙区初勝利を収めた。政治活動を始めて今年で20年になる。
立民は今年1月15日の両院議員総会で、公明党との新党結成に向けた対応を執行部に一任。野田佳彦、斉藤鉄夫両代表(いずれも当時)は同日、党首会談で新党結成に合意した。立民の衆院議員148人のうち144人が中道に入党した。中道に加わらなかった立民出身者は2人で、原口一博氏は別の新党を結成し、青山氏は無所属を選んだ。
周囲からは公明党が嫌いだから中道に加わらなかったのかと聞かれたが、青山氏は「違う」と否定する。「どの政党や誰が好きか嫌いかという話ではない。衆院が解散され、目の前に選挙がある瞬間に新しい政党を作る。誰が見ても、選挙のための野合だと思うのではないか」と述べた。
「信なくば立たず」
青山氏は、公明党との合流自体を否定しているわけではない。ただ、時間をかけて合意を積み上げるべきだったと唱える。「段階を踏むべきだった。目の前の選挙で当選することが最大の目的になり、あの決断をしたのだと思う。私がリーダーだったら絶対にしない」と語る。
「大切なのは目の前の選挙ではない。『信なくば立たず』。国民から信頼を得なければ政党は育たない。それが中道に合流しなかった理由の一つだ」と強調した。
2月の衆院選で中道は惨敗し、立民出身の144人のうち当選者は21人にとどまった。青山氏も国光氏に2544票差で敗れたが、無所属で10万4844票を得た。
「政党は議員だけではない」
青山氏は、立民の党職員や警備員に対する処遇にも言及した。衆院側の大半が中道へ移った後も、立民には参院議員らが残った。立民は約90人いる党職員のうち約30人の希望退職を募るほか、党本部の警備体制や地方組織への交付金も縮小する方針を示している。
「組織である以上、まず身近な人をしっかり支えなければならない。いくら崇高な主張をしても、そこで働く人を大切にできなければ響かない。そこがずれているのではないか」と指摘。「政党は議員だけではない。裏方で支えてくれる職員の力は本当に大きい。立民は労働界から支援を受けている政党なのだから、そこで働く人の思いをくまなければならない」と語った。
青山氏は衆院選の落選後、議員会館から退去する際、立民本部の全フロアを回り、党職員にあいさつした。自身の事務所にいた常勤、非常勤のスタッフ計9人とも面談し、再就職先の確保を優先した。現在は2人が非常勤で政治活動を支えている。
「反省以前の当たり前」
旧民主党系の政治勢力が何を直すべきかについて、青山氏は「選挙目当てではなく、本当に何をしたいのかという理念を持つ。そこで集まった仲間を大事にし、支えてくれるスタッフや職員を大事にする。そして支援者を大事にする。それは反省以前に、当たり前のことだ」と述べた。
中道結党で「当たり前」がないがしろにされたとみる。「同じ党の議員も、職員も、長く立民を応援してきた支持者も考えず、別の政党とくっつけば票が足し算になるという安易な発想だった」と批判した。
中道は所属議員1人を残して党を存続させる。衆院選に伴う未払い金などの債務処理を理由に、政党交付金を受け取る方針も示している。青山氏は「借金があるなら、一度きちんと返済すればいい。その上で余った政党交付金は国庫に返納し、来年以降は『中道として受け取らない』とはっきり言うべきだ」と訴えた。
「いつも他責」と指摘
青山氏は衆院選直後の2月、産経新聞の取材に対し、旧民主党系野党について「悔しいね。なぜ自分たちで立て直そうとしないのか」と語っていた。約8カ月を経て、「結局、変わっていない。本当に、いつも他責だと思う」と述べた。
政権交代可能な二大政党制を目指してきたが、現在の状況では難しいと考え始めている。今後は政策の軸を持つ野党が巨大与党に対峙し、与党が行き過ぎた際にブレーキをかけ、軌道修正を促す形が現実的だとみる。
立民出身者の大半が中道に向かう中、ただ一人、無所属の道を選んだ青山氏は「私自身、当時は毎晩、発狂するような思いだった。本当に自分の選択が正しいのかと、無所属を表明してから投票日まで毎晩、自問自答した」と振り返る。「無所属の戦いは本当に重かった。今でも思い出すだけで、へどが出る」と語った。
その上で、茨城6区で自身の名前を書いた有権者に触れ、「10万人以上の人が、無所属の青山大人に名前を書いてくれた。有権者には、一人一人の判断や行動をしっかり見る力がある。そういう人たちが、たくさんいると私は思っている」と述べた。