大和郡山旧記を翻刻し注釈付き冊子作製 柳沢文庫が販売
大和郡山旧記を翻刻し注釈付き冊子作製 柳沢文庫

大和郡山市の国史跡・郡山城跡内にある郡山城史跡・柳沢文庫保存会(柳沢文庫)は、地元の歴史を記した「大和郡山旧記」(同文庫所蔵)を翻刻し、注釈を付けた冊子(A4判、86ページ)を作製した。難解な古文書が親しみやすくなる一冊になっている。

室町時代から江戸初期の郡山の歴史を記録

大和郡山旧記は、室町幕府将軍の足利家が衰退後の天正年間(1573~92年)初期から、江戸時代に松平忠明が郡山城主となった時代(1619~39年在城)の大和国郡山の歴史を記録している。後半は、筒井順慶や松永久秀らゆかりの戦国武将らを「一つ書き」で説明を施している。

江戸時代の天保13年(1842年)に写したこと、「沁斎(ひっさい)」の名と花押が記されているが、人物像は定かではない。

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大河ドラマ関連資料を活用し企画

市ゆかりの戦国武将・豊臣秀長がNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の主人公となり、市内が盛り上がりを見せる中、同文庫が所蔵し、同じ時代に触れられる資料を活用して地域を深く知ってもらおうと企画。成富なつみ学芸員が約半年かけて作業した。見開きで、原本の写真と翻刻を対比させながら読み進められるため、難解なくずし字が理解しやすく仕上がっている。

秀長関連では「郡山ニ縄張も秀吉の御差図ニて、秀長在城なり、其後従二位大納言ニ被任、大和大納言殿と申」との記述がある。秀長は1月に亡くなっているが、「天正十九卯年四月死去」などと誤りも見られ、詳しい注釈でフォローした。「古文書の学習にも使えるように」と、字の説明も意識した。

史料の少ない有力者の記述も魅力

後半の「一つ書き」では、十市常陸之助、箸尾宮内少輔など、史料が少ない大和国の有力者の記述も見られるのも魅力の一つだ。多賀久彦館長は「古文書だけ展示しているととっつきにくいが、翻刻で少しでも文書に近づける。知っている名前があると追っていける」と評する。

成富学芸員は「古文書の現物を見ることがない人も気軽に手にとっていただき、身近に感じて、見てみようと思うきっかけになればうれしい」と話している。

1000部作製。同文庫で、税込み800円で販売している。

初心者向け古文書講座も開催

発売を記念して柳沢文庫は、くずし字解読のコツなどが学べる初心者向けの古文書講座を10月下旬まで同文庫閲覧室で開いている。各回10人で、参加費は1000円(冊子を含む。講座のみは500円)。日程の詳細はホームページに掲載されており、問い合わせフォームから申し込む。問い合わせは同文庫(0743・58・2171)。

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