利用客の減少や鉄道会社の業務効率化で全国的に増えている無人駅。駅舎の維持が課題となる中、人が集い、にぎわいを生み出す場として活用する動きが広がっている。景観の良さを売りに観光客を呼び込んだり、地域の魅力発信や移住の拠点として整備したりするなど、各地でユニークな取り組みが進められている。
「日本一海に近い駅」で願い事
「日本一海に近い駅」との宣伝文句に引かれ、今月中旬、長崎県島原市の島原鉄道大三東駅を訪れた。有明海に面したホームに立つと、目の前に青い海と空が広がり、遠くに対岸の熊本県側が見えた。静かに打ち寄せる波の音と涼しい海風が心地よい。
「家族が健康で幸せに過ごせますように」「戦争のない平和な世界になりますように!」。ホーム上には、駅を訪れた人が願い事や大切な人へのメッセージを書いた「幸せの黄色いハンカチ」が掲げられていた。ハンカチは、駅の販売機で500円(入場券付き)で購入できる。
地域活性化の拠点に
家族3人で初めて訪れた北九州市の公務員(58)は「有明海のスケールの大きさを実感でき、感動した」と話した。
諫早駅(長崎県諫早市)と島原港駅(同県島原市)間の43・2キロを結ぶ島原鉄道は、全24駅のうち大三東駅など18駅が無人駅だ。沿線の人口減少が進む中、島原半島を一つのテーマパークと捉え、交流人口の拡大を図るプロジェクトに取り組んできた。「幸せの黄色いハンカチ」もその一つで、2016年頃に始めた。



