佐賀県内で廃校となった小学校が、IT企業の研修施設や地域住民の交流拠点として生まれ変わった。この取り組みは、少子高齢化で増加する廃校施設の有効活用策として、全国から注目を集めている。
廃校をIT研修施設に転用
佐賀県唐津市にある旧・七山村立七山小学校は、2010年に統廃合で閉校。その後、地元IT企業「株式会社リバティ」が買い取り、2015年から社員研修施設として活用を開始した。校舎や体育館はそのままに、教室を宿泊室やセミナールームに改装。年間約2000人が利用し、社員のスキルアップやチームビルディングに役立てられている。
同社の担当者は「都会と違い、静かな環境で集中して研修に取り組める。廃校というユニークな空間が社員の創造性を刺激する」と語る。
地域交流の場としても機能
施設は地域住民にも開放されており、月に一度のマルシェや子ども向けプログラミング教室など、様々なイベントが開催されている。地元の高齢者とIT企業の若手社員が交流する機会も生まれ、地域コミュニティの活性化に貢献している。
唐津市の担当者は「廃校が単なる研修施設ではなく、地域のハブとして機能している。他の自治体からも視察が相次いでいる」と述べた。
全国に広がる廃校活用の動き
文部科学省の調査によると、2022年度までに全国で約8000校の公立小中学校が廃校となり、そのうち約6割が未活用のまま残っている。こうした中、佐賀県の事例は、廃校を「地域資源」として捉え直す成功モデルとして評価されている。
専門家は「廃校活用には、単なる施設転用ではなく、地域のニーズに合わせたプログラムづくりが重要。IT企業との連携は、人材育成と地域活性化の両面で効果的だ」と指摘する。



