一般道の利用者のための休憩施設として整備された「道の駅」は、特産品の販売や観光情報の発信など地域の魅力を伝える場にもなってきた。近年は、国が「道の駅」第3ステージと銘打ち、防災や地域再生の拠点へとその役割を広げている。
災害時に活用できるコンテナトイレを被災地へ
今月1日、福岡県みやま市の「道の駅みやま」で、災害時に活用できるコンテナトイレがトラックに積み込まれた。7月28日に発生した熊本地震で断水するなどしていた熊本県氷川町に届けるためで、その日のうちに同町内の駐車場に設置された。トイレは、太陽光パネルと水循環処理システムを備え、電源と上下水道に接続せずに約4000回使用できる。
同道の駅は、2011年に開業。今が旬のシャインマスカットなど地元の農産物を販売する直売所などが人気だ。25年5月、国土交通省が大規模災害時に広域的な防災拠点となる道の駅を選定する「防災道の駅」に選ばれた。コンテナトイレは、福岡県が今年3月に配備した。県道路維持課によると、九州道のインターチェンジが近くにあり近隣各県にアクセスしやすく、大型駐車場を備えることなどから設置を決めたという。
道の駅の役割の変遷と第3ステージ
運営会社の松尾博社長(65)は「10年前の熊本地震の際にはなかったコンテナトイレで、支援できてよかった。今後も広域災害時や防災活動の際の拠点として活用され、役立てばうれしい」と話す。
道の駅は市町村などが設置主体で、国交省が登録する。同省は、道の駅が目指す姿を段階的に定義しており、制度が創設された1993年当初は安心して休憩できる場や情報提供が主な役割だったが、2013年以降の「第2ステージ」では、特産品の販売や、ご当地グルメを味わえる飲食店の充実などが図られ、「道の駅自体が目的地」に進化した。20年以降は「第3ステージ」として、「地方創生・観光を加速する拠点」を目指している。「防災道の駅」(全国79駅)もその一環で、地域住民や観光客らに安全・安心な場を提供する目的がある。
地方創生の拠点を目指す試み
地方創生の拠点を目指した試みも進む。道の駅は、地域の特産品を販売するだけでなく、防災や地域再生の拠点として、その役割をさらに広げている。今後も、地域住民や観光客にとって安全・安心な場であり続けることが期待される。



