大学受験において、偏差値以外の指標で志望校を決める方法が注目されている。朝日新聞「ひらく日本の大学」取材班が著書『崖っぷちの私立大学 偏差値で測れない価値をどう見抜くか』(朝日新書)で、誰でも活用できるツールを紹介している。
全国学生調査で学生のリアルな声を把握
文部科学省は2025年度、初めて全国学生調査を実施した。各大学の2年生と最終学年(主に4年生)が回答し、2026年秋ごろに最初の結果が発表される予定だ。この調査は、授業の理解しやすさや成長実感、プレゼン能力の向上など、学生の満足度を可視化する。
2024年度の第4回試行調査では、肯定的な回答割合が高かった学部・学科を、質問項目ごとに学問分野別で上位15~20校程度を順位付けした「ポジティブリスト」が公表された。例えば、「大学で受けた授業は理解しやすいように教え方が工夫されていた」「大学の学びによって成長を実感している」「大学教育を通じて人に分かりやすく話す力が身に付いた」といった項目で、各大学の学部・学科の点数と回答数がランキング形式で示された。
2025年度の本調査では、多くの大学が学部ごとに全質問項目の回答結果を公表することに同意。文科省は2026年秋の具体的な公表方法を夏ごろに議論して決定する予定だが、各大学の学部の回答結果一覧とともにポジティブリストも公表する方針だ。
継続的な調査で大学教育の実態を把握
全国学生調査は2026年度以降も毎年実施される。各大学がどのような授業や課外活動に力を入れ、学生からどのように評価されているか、数値の経年変化を追うことで、教育の実態を知る有効なツールとなる。取材班は「知名度が低くても、入学時の偏差値が高くなくても、きめ細かい指導や支援で学生を成長させる大学を見つけるのに役立つ」と指摘する。
こうした情報は、地域を離れると伝わりにくい「掘り出しもの」の大学を発見する手がかりとなる。偏差値だけに頼らない大学選びが、受験生や保護者の間で広がりつつある。



