フリーランス書評家が「会社員のための引退戦略書」を読み解いた。将来は、リタイア年齢を自由に選べる歴史上初めての世代になるという。
リタイアの多様性の時代
これまでは一律の定年年齢と公的年金受給開始年齢がリタイア時期を制約してきたが、今後は違う。65歳でリタイアする、70歳以上まで働く、あるいは60歳以前にリタイアすることも可能になる。
自分が何歳まで働くべきか、働けるか、働きたいかはすべて自分次第。人生100年時代はリタイアの多様性の時代でもある。
高齢者低賃金のイメージは変わる
リタイア・シフトにより、高齢者にできる仕事は低賃金というイメージも変わりつつある。60歳以降の賃金や処遇は改善が進み、継続雇用が低賃金を意味する当たり前はなくなる。国の給付制度も見直される。
定年年齢も引き上げられ、65歳定年制の企業は既に3割を超え、10年を待たずに5割を超える見込み。中小企業が先行し、大企業は遅れているというユニークなトレンドも生じている。
労働需給の変化が雇用条件を改善
雇用条件改善の最大の理由は、日本の大幅な雇用不足にある。若者は減少し奪い合いになるため、社内の技能熟練者を手放したり低賃金で単純労働させたりするのは愚策であり、対応の早い企業は気づき始めている。
公的年金の受給開始年齢は当面65歳で維持され、引き上げはない。このため、公的引退年齢と民間引退年齢が逆転するリタイア・パラドックスが生じる。
前向きな選択を
00年代から10年代は「65歳まで年金が出ないから低賃金で働くしかない」という考え方が常識だった。しかし今後は、不本意ながら働くのではなく、自分の意思で働くことができる。ネガティブな報道に惑わされず、リタイア・パラドックスを信じて前向きに動くことが健全だ。



