東日本大震災16年目に伝説の元次官が語る「自分事化」の本質とリーダーシップ
東日本大震災16年目に伝説の元次官が語る自分事化の本質

2011年3月の東日本大震災から16年が経過した。国土交通省東北地方整備局長として現場の総指揮を執った徳山日出男元事務次官が、当時の胸の内を計10時間にわたる取材で初めて詳細に語った。「もうそろそろ語ってもいいかな」と切り出した徳山氏は、果断な決断で超法規的措置を繰り返し、津波被害の復旧に大きく貢献した。

伝説の次官が語る決断の連続

徳山氏は1979年に東京大学工学部土木工学科を卒業し建設省に入省。2008年に国土交通省道路局企画課長、2011年1月に東北地方整備局長に就任し、震災発生時に現場対応を指揮した。その後、道路局長、技監、事務次官を歴任し、現在は一般財団法人「国土技術研究センター」理事長を務める。

震災から約2年半後の2013年8月に整備局長を退任した後も、徳山氏は定期的に被災地を訪れている。一緒に戦った自治体の首長や、被災して再建した旅館の女将、語り部、当時の同僚たちと会い、自らの役割を果たすためだ。

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「自分事化」と行動変容の重要性

徳山氏が最も伝えたいのは「自分事化」の概念だ。危機に直面した際、多くの人は「頑張ってください」と他人事のように応援するが、実際に命を守る行動を取る人は異なる。自分事として捉え、主体的に動くことが重要だと強調する。

東日本大震災の教訓を伝承する難しさについて、徳山氏は「時間の経過とともに風化が進む」と指摘。自分事化と行動変容を促す仕組みが必要だと訴える。

ビジネスリーダーへの教訓

本稿は、これまで毎週木曜日に10回にわたって連載してきた「ドキュメント・危機のリーダー」の最終回(第11回)である。修羅場で重ねた徳山氏の思考や判断は、ビジネスリーダーや官僚にとって最高の教科書だと評価されている。

徳山氏は東北に2つの使命があると考えている。一つは震災の記憶を後世に伝えること、もう一つはその経験を未来の防災に生かすことだ。

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