木原官房長官は、7月の熊本地震の被災者支援や地域再生に対応する「復興基金」の創設に向け、国として財政措置を検討する考えを示した。読売新聞のインタビューで明らかにした。
木原氏は「本来は相当の期間を要するが、今回は早い段階で(財政措置の)検討を指示した」と述べ、早期の基金設置に意欲を示した。復興基金は10年前の熊本地震でも、県の有識者会議による提言を受け、国の特別交付税などを原資に設けられた。
「創造的復興」を目指す考え
復興支援策では、熊本地震だけでなく、豪雨による全国各地の水害に関しても、復旧にとどまらない「創造的復興」を目指す考えを強調した。2024年の能登半島地震も含め、「どの地域も『創造的復興』を目指し、政府は後押ししたい」と語った。16年の地震後に熊本県で半導体工場の集積が進んだ例を挙げ、「(地域を)立て直す起爆剤にした」と振り返った。
防災庁への期待
11月にも政府が新設する防災庁については、事前防災や初期対応、復旧・復興までを担う司令塔としての役割を強調した。「日本の様々な災害の知見を集約した組織になると期待している」と述べた。
インタビューは8月28日に行った。
主なやりとり
――熊本地震から1か月が経過した。
地元の熊本市で2016年に被災した際の知見や経験を最大限生かそうと思った。常に一歩先の段階を見据えて、次に何が必要かを考えて対応してきた。記者会見で「さらに大きな地震が発生する可能性を踏まえて安全な場所に避難を」と繰り返したのは10年前の経験があったからだ。
――高市首相との連携は。
首相に「いかに災害関連死を防ぐかが大事だ」と伝え、対応した。首相は、倉庫に段ボールベッドがあるのに避難所で配られていないとの情報を(知人の)防災士から直接聞いていた。避難者全員に配るには足りず、不平等になるため、職員が配っていなかった。避難所のリーダーに優先順位を決めてもらうよう改めたが、首相自ら情報を入手していたことに驚いた。
――熊本地震の支援パッケージをまとめた。
施設や設備の復旧に対して高い補助率で支援する。相談窓口も一元化した。関係省庁の縦割りで抜け落ちがないように、注意を払った。例えば、JA(農協)は、農業だけでなくガソリンスタンドも担っており、補助率を高くした。
外食業界の風評被害も非常に多い。初の試みとして、旅行・宿泊商品の割引支援を実施するまでの「つなぎ」として、外食産業に対する支援を決めた。
――どう復興を図るか。
今回の地震で1700億円超の予備費支出を閣議決定した。10年前の熊本地震と比べても遜色ない。復興基金も考えていく。本来は相当の期間を要するが、今回は早い段階で検討を指示した。10年前の地震後、(国が県を支援して)半導体製造の集積地になり、立て直しの起爆剤になった。水害も発生し、能登地震もある。どの地域も「創造的復興」を目指し、政府として後押ししたい。
――災害が多発している。
防災庁は、事前防災、復旧復興の司令塔機能を果たしてもらう。日本の様々な災害の知見を集約した組織になると期待している。



