石破茂首相は1月24日の所信表明演説で、物価高騰への対応や防災体制の強化など、具体的な政策を打ち出した。経済再生と安全保障の両立を掲げ、国民の生活安定を最優先とする姿勢を強調した。
物価高対策と賃上げ促進
首相は、エネルギー価格や食料品の高騰が家計を圧迫していることを踏まえ、ガソリン補助金の延長や低所得世帯への給付金支給を表明。また、中小企業の賃上げを促進するため、税制優遇措置を拡充する方針を示した。
「物価上昇を上回る賃上げを実現し、持続的な経済成長につなげる」と述べ、官民連携での取り組みを呼びかけた。経済産業省の試算によれば、これらの対策により、2025年度の実質GDP成長率は1.5%程度押し上げられる見通し。
防災庁設置と国土強靭化
首相は、頻発する自然災害への対応として、防災庁の設置を2026年度までに実現すると表明。災害対策の司令塔機能を強化し、避難所の環境改善や防災インフラの整備を加速する。
「災害から国民の命と暮らしを守るため、あらゆる手段を講じる」と強調。政府は今後5年間で防災関連予算を2倍に増額する計画で、国土強靭化のための公共投資を拡大する。
安全保障政策の転換
首相は、厳しい安全保障環境を踏まえ、防衛力の抜本的強化を継続する方針を表明。2027年度までの防衛費GDP比2%目標を堅持し、長距離ミサイルや無人機の配備を進める。
一方で、「専守防衛の基本方針は変えない」と述べ、抑止力と対話のバランスを重視する姿勢を示した。また、日米同盟の強化とともに、近隣諸国との外交努力も継続する考え。
子育て支援と社会保障改革
首相は、少子化対策として、児童手当の所得制限撤廃や保育料の無償化を拡大する方針を表明。2025年度から、第3子以降の大学授業料を無償化する制度を導入する。
「子どもを産み育てたいと思う社会を実現する」と述べ、社会保障費の増大に対応するため、医療・介護分野でのDX推進や予防医療の強化を打ち出した。
地方創生とデジタル化
首相は、地方経済の活性化に向け、デジタル田園都市国家構想を加速。自治体のデジタル基盤整備や、テレワークの推進による地方移住を促進する。
「東京一極集中を是正し、地方に魅力ある仕事と暮らしを創る」と述べ、2025年度までに全国100カ所でデジタル拠点を整備する計画を明らかにした。



