特別国会の「60日ルール」が焦点に
現在の国会は通常国会ではなく、衆院選後に召集された特別国会である。通常国会では会期延長は1回のみだが、特別国会では2回の延長が可能で、与党は衆院での圧倒的多数を背景に会期延長幅を自由に決められる。さらに、参院で野党の反対により法案が成立しない場合、「会期を合計60日間延長することで、最終的に衆院での議決が有効となる」という「60日ルール」が適用可能となる。吉村代表はこの特別ルールを念頭に置いているとされる。
参院の反発と首相の不快感
しかし、このルール適用は参院審議の形骸化につながりかねず、「参院側は与野党の別なく拒否反応が強い」(自民党の国対担当者)のが実情だ。参院自民党の実質的リーダーである石井準一参院幹事長は、「議会制民主主義の根幹である二院制を守るため、首相や自民執行部は野党の求める予算委集中審議や党首討論に応じるべきだ」と公言している。これに対し、「高市首相は不快感をあらわにしていた」(官邸筋)とされるが、麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長は「すべては首相の判断次第。結果的に会期末国会の混乱が続けば、それも首相の自己責任」と突き放している。
法案強行なら造反も
もし首相が吉村氏の意向を受け入れ、合計60日の会期延長を決断し、「60日ルール」で定数削減や副首都構想関連法の成立を強行した場合、「野党だけでなく、自民党内からも造反議員が続出する可能性がある」(自民党長老)との見方が強い。政界関係者の間では「そんな状況になれば、自民党内の反高市グループが勢いづき、来年9月の自民党総裁選で『高市降ろし』が現実味を増す」との指摘が相次ぐ。高市首相にとって、国会最終盤を乗り切れるかどうかが、その後の安定した政権維持の鍵を握る。



