高市首相の孤独な300日:人気取り政策と孤立主義の実像
高市首相の孤独な300日:人気取り政策と孤立主義

高市早苗首相の内閣支持率は、読売新聞社の全国世論調査で発足時に71%を記録し、半年後の2026年4月時点でも66%を維持している。政権発足6か月後も支持率6割以上を保つ「W6内閣」は、大平正芳内閣以降、細川護熙内閣、小泉純一郎内閣、第2次安倍晋三内閣に次ぐ4例目だ。

人気取り政策への傾注

しかし、高市政権は抜き打ちの衆院選で定数の3分の2超の議席を得ながら、大改革より小手先の人気取りにエネルギーを割く傾向が顕著だ。その一因は、首相の「孤立主義」やコミュニケーション不足にある。

外交では、エビアンでのG7サミットで「重要鉱物の共同備蓄構想」を提唱し、成果文書に盛り込ませるなど、得意分野で存在感を示した。一方で、トランプ米大統領との関係は「べったり感」にあふれ、他のG7首脳が批判する中でも良好な日米関係の演出を優先させた。

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国会嫌いと政策の迷走

首相は国会審議を嫌い、予算委員長ポストを野党に握られたことに嫌気がさして解散に踏み切った。総選挙後も「年度内成立」にこだわったが、野党や参院自民党の反論に屈した。官邸内でも官僚とのコミュニケーションは円滑ではなく、政策レクチャーでも「資料を置いていって」と言われることが多いという。

政策の優先順位は、必要性より人気取りに左右され、日本維新の会との政策合意も優先される。維新の会の宿願である副首都構想や議員定数削減に前のめりになり、政権の政策全体をいびつにしている。

公約の自縄自縛と「やりたい政策」の不在

2年間限定の食品消費税ゼロという公約は、実現可能性や合理性を無視したもので、市場や企業から反対の声があがっても聞く耳を持たない。経済学者は「経済政策や財政政策についてはよく分かっていなかった」と証言する。

一方で、国家情報局の新設や補正予算依存からの脱却宣言など、評価できる取り組みもある。「高市ブランド」が日本の将来にどう役立つのかを国民に説明し、支持層向けの政策に割くエネルギーを受益者の多い政策に振り向けることが課題だ。

今後の政局と長期政権の鍵

27年秋の自民党総裁選と28年参院選を控え、参院自民党幹部は「内閣支持率が40%台なら無投票再選、30%台前半まで落ち込むと、総裁交代を求める動きが出てくるだろう」と展望する。衆院での圧倒的議席は「解散カード」を使いにくくし、選択肢を狭めている。

「人気者のアウトサイダー」が歴史的に既存政治を乗っ取り国を支配した事例もあるが、日本の政治制度には安全装置がある。高市首相が「孤立」から「協調」に脱皮し、不人気でも大切なことを誠実に訴え、国民を統合できるかが長期政権の鍵を握る。

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