愛子さまも佳子さまも「皇室を出るか未婚のまま」しかない…島田裕巳氏が指摘する皇室典範改正案の深刻な問題点
愛子さまも佳子さまも「皇室を出るか未婚のまま」しかない…島田裕巳氏が指摘

政府が月内にも閣議決定を目指す皇室典範改正案をめぐり、宗教学者で皇室史に詳しい島田裕巳氏は「この改正案は、『女性・女系天皇の実現阻止』という政治家の最終目的を巧みに隠している」と指摘する。改正案は皇族数確保を目的としているが、その内容には多くの問題が潜んでいる。

「女性宮家」ではなく「身分保持」とした戦略

改正案の要綱では、女性皇族の結婚後の扱いについて「内親王・女王が婚姻後も皇族の身分を保持すること」とされている。しかし、従来議論されてきた「女性宮家」という言葉は一切登場しない。島田氏は「『女性宮家』であればイメージしやすいが、『身分保持』となると何を意味するのかひどくわかりにくい」と述べ、そこに政治家の巧妙な戦略が隠されていると指摘する。

この「身分保持」案は、結婚後も女性皇族が公務を続けられるようにするための措置として理解されているが、実際には結婚後も皇族の身分を保持するだけで、新たな宮家を創設するわけではない。島田氏によれば、この曖昧な表現によって、保守派が最も嫌う「女性天皇」や「女系天皇」への道を閉ざしつつ、表面的には女性皇族の活動継続を認める形を取っているという。

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自民党政権復帰後の“決定打”

女性宮家の創設は、2012年に民主党政権下で開かれた「皇室制度に関する有識者ヒアリング」で初めて提言された。当時は女性宮家の創設とともに、結婚後も皇室活動を続ける案が示され、旧宮家からの養子案は含まれていなかった。しかし、自民党が政権に復帰し安倍晋三政権になると、保守派の反対が強い女性宮家創設は棚上げされた。島田氏は「女性天皇や女系天皇への道を開くことになるからだ」と解説する。

その後、政府は旧宮家からの養子による皇族数確保を検討してきたが、これにも根強い反対がある。6月24日に公表された衆参両院の改正案要綱では、旧宮家からの養子は「例外規定」で行うとされた。島田氏は「この案には根強い反対があり、あまりに問題が多い」と指摘する。

女性皇族「身分保持」案の大問題

現在の皇室において、女性皇族の果たす役割は大きく、特に愛子内親王が大学を卒業し積極的に公務を果たすようになってから、その注目度はさらに高まっている。しかし、現行制度では女性皇族は結婚すると皇室を離れなければならない。結婚後も皇族としての活動を続けてほしいという声が高まったことが、今回の改正議論のきっかけとなった。

ところが、改正案の「身分保持」は、結婚後も皇族の身分を保持するだけで、配偶者や子どもは皇族にならない。島田氏は「配偶者や子どもを皇族にしない方法」と批判し、これでは結婚した女性皇族は事実上、皇室を離れるか未婚のままであることを強いられると指摘する。「愛子さまも佳子さまも、結婚すれば皇室を出るか、未婚のまま公務を続けるかしかない」と述べ、この制度では女性皇族の結婚と公務の両立は困難だと警鐘を鳴らす。

保守派の政治家が最も嫌うこと

島田氏は、保守派の政治家が最も嫌うのは「女性天皇」や「女系天皇」の実現であると指摘する。そのため、改正案の全体の構図は「いかにして女性天皇、女系天皇の実現を阻止するか」に置かれているが、その最終目的を隠しているという。皇室制度史に詳しい所功京都産業大学名誉教授も朝日新聞の紙上で、改正案に不適切な点が多いのは「あえて本心をぼかしながら、男系男子に固執する改正の目的を遂げようとする底意が透けて見える」からだと指摘している。

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島田氏は「なんともグロテスクな皇室典範改正案」と総括し、このままでは女性皇族の将来が極めて限られた選択肢しか残されないと警告している。