「専業主婦は優遇されすぎ」は誤解…主婦年金縮小論の盲点
「専業主婦は優遇されすぎ」は誤解…主婦年金縮小論の盲点

自民党と日本維新の会が「主婦年金」の縮小を検討している。現役世帯の社会保険料負担が増加する中、夫の保険料だけで年金を受け取れる制度が「ずるい優遇策」との批判が上がっている。しかし、日本大学危機管理学部教授の西田亮介氏と大阪大学経済学部教授の安田洋祐氏は、こうした議論の拙速さに警鐘を鳴らす。

「主婦年金」縮小の背景

西田氏は、与党と維新が「主婦年金」縮小を検討しているとの報道を受け、ネット上で「専業主婦は時代遅れ」「優遇」といった単純な議論が盛り上がることに懸念を示す。「ここではそういうわかりやすい話にまずは水を差し、制度の複雑な構造や歴史を冷静にひもとくところから始めてみましょう」と述べている。

複雑な「年収の壁」

安田氏は、社会保障に関するニュースで「103万円」「106万円」「130万円」といった複数の「年収の壁」が登場し、多くの人が混乱していると指摘する。「壁」が複数あることで制度が複雑化しており、その理解なしに社会保険制度の議論は見通せないと強調する。

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働き控えと子育て世帯への影響

西田氏は、「主婦年金の縮小」もこうした議論の一つだと位置づける。制度の縮小は、働き控えを生む「年収の壁」の是正とセットで議論されるべきだが、子育て世帯の女性に負担が集中する現実を見落としていると指摘する。年金はセーフティネットであり、公正な制度設計が必要だと訴えている。

(構成=稲泉 連、撮影=大槻純一、写真=共同通信)

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