福岡県議会の正副議長ポストを巡る金銭授受疑惑が、9月中旬にも行われる内閣改造・自民党役員人事に影響を及ぼしそうだ。今回の疑惑をきっかけに「政治とカネ」に再び注目が集まっており、人選によっては派閥パーティー収入不記載事件など過去の問題が再燃する恐れもある。高市早苗政権の支持率急落につながりかねず、官邸は警戒感を強めている。
自民幹事長の見解と人事の焦点
自民の鈴木俊一幹事長は25日の記者会見で、不記載事件に関連した議員の要職起用について問われると、「能力のある方に力を発揮してもらわなければならない」とする一方、「世論の動向も一切考えないというわけにもいかない」と説明。最終的には高市首相(自民総裁)が判断するとの認識を示した。
今回の党役員人事では、党運営の要となる幹事長ポストの行方が最大の焦点となる。幹事長は選挙の陣頭指揮を執り、政権が進める重要政策を巡り党内外の調整役を担う。現在は首相の後ろ盾である麻生太郎副総裁の推薦を受け、麻生氏の義弟の鈴木氏が務めている。首相は次の人事でも麻生氏の意向に配慮するとみられる。
旧安倍派の動向と過去の事例
一方、党内には旧安倍派幹部だった萩生田光一幹事長代行の待望論が根強い。旧安倍派中堅は「萩生田氏を党の主要ポストに起用してもらいたい」と期待する。ただ、旧安倍派は不記載事件の震源地となり、所属していた多くの国会議員が処分を受けた。事件後2回の衆院選を経たが、官邸は事件に関わった議員の主要ポストへの起用に慎重な姿勢を崩さない。
これまでも要職就任後に過去の「政治とカネ」の問題が再び取り沙汰された事例は少なくない。岸田文雄政権下では甘利明氏が幹事長就任後、過去の金銭授受問題で批判を浴び、令和3年衆院選の小選挙区で落選した。重複立候補した比例代表で復活当選したが、就任から約1カ月で幹事長を辞任した。
福岡県議会疑惑と官邸の警戒
福岡県議会の金銭授受疑惑は、自民の蔵内勇夫議長が議員辞職してもなお収束する気配はなく、自民の問題と同一視されつつある。政府関係者は萩生田氏らの起用について「首相の判断次第だが、懸念は『政治とカネ』の問題だ」と話す。自民閣僚経験者は「この状況で不記載に関与した議員を要職に起用すれば、内閣支持率が下がる可能性がある。慎重に判断したほうがいい」と語った。



