後見人の不正防止へ対策強化を 高齢者の財産守る仕組みに
後見人の不正防止へ対策強化を 高齢者の財産守る仕組みに

認知症のお年寄りの生活を支える後見人が財産を着服するケースが後を絶たない。安心して後見制度を利用できるよう、対策を急ぐ必要がある。

後見制度の現状と課題

成年後見制度は、家庭裁判所が選んだ後見人らが、認知症で判断能力が不十分な人らの財産管理などを支援する仕組みだ。後見人は、選ばれると利用者を終身担当するのが原則だが、先の国会での法改正で、利用を必要な時に限定できるようになった。

しかし、ここ10年ほど、後見人らによる財産の着服などが毎年約200件も確認され、被害額は年7億円前後に上っている。被害を認識できていない高齢者もいるとみられ、実際の被害はさらに増える可能性がある。

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不正の実態と専門職の関与

不正の多くは、後見人を務める親族が身内の財産を使い込んだケースだが、弁護士や司法書士などの専門職による不正も、昨年は26件が確認され、被害は計1億6000万円に上った。2024年には、熊本県弁護士会に所属していた弁護士が、後見人として管理していた財産など2億円超を横領したとして、実刑判決を受けている。

社会的な信用の高さを悪用した裏切り行為だと言うほかない。高齢者らの家族にしてみれば、唖然とする思いだろう。

弁護士自治と日弁連の対策

特に弁護士については、国の監督を受けない弁護士自治が認められている。であればなおのこと、日本弁護士連合会には効果的な対策を講じる重大な責務がある。日弁連は、不正の疑いがある弁護士が管理する高齢者らの口座の調査権限を、各地の弁護士会に与えるといった対策をとっている。しかし、被害の現状を見れば、不十分だと言わざるを得ない。

フランスの仕組みと今後の対策

フランスには、弁護士会側が設置した専用口座で依頼者からの預かり金を管理する仕組みがある。出金する場合、法的文書などと照合して不正がないかを確認している。日本でも、こうした仕組みの導入を検討してみてはどうか。

家裁の役割も重要だ。現在、年1回程度、後見人らに財産の管理状況を報告するよう求めている。こうしたチェック機能をさらに強化することが欠かせない。司法書士の団体なども、実効性の高い対策で不正に歯止めをかける努力が求められる。

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