防衛省は2027年度当初予算案の概算要求に、最新装備品の取得に加え、省の組織改編に必要な経費を盛り込む方針だ。小泉進次郎防衛相が特に力を入れるのは、自衛官のなり手不足への対応であり、退職した自衛官とその家族への継続的な支援を強化するため、2027年度に新たな「庁」を創設する検討を進めている。
退職自衛官支援の新庁創設へ
小泉氏が推進するのは「退職自衛隊員・家族支援庁」(仮称)だ。100人余りの規模の既存の庁を参考に、検討が進められている。7月21日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」には、退職自衛隊員・家族への支援について「新たな庁の設置を含め取り組みの強化を検討する」と明記された。
将来的な予算や人員の確保が課題となるため、政府内には「庁設置は選択肢の一つ」と消極的な意見もあるが、防衛省はあくまで庁の設置を求める方針だ。
定員割れ深刻化が背景
防衛省が熱を入れる背景には、自衛官の定員割れの深刻化がある。定員(約24万7千人)に対する充足率は9割を下回る状態が続いている。新庁が設置されれば、退職後の自衛官の再就職支援、病気などの相談体制、年金や給付金の対応、家族の支援などを一元的に担う見通しだ。現在は内局の各課や陸海空の各自衛隊などに分散している関連機能を集約する狙いがある。
一方で、こうした動きには「小泉氏の政治アピール」との声も上がっている。米国、豪州、韓国などには退職自衛官を支援する類似の制度が存在するが、日本ではまだ本格的な仕組みが整っていない。



