米国のスティーブ・ウィットコフ和平交渉担当特使が、ウクライナで惨たらしい戦争を続けるロシアのウラジーミル・プーチン大統領を「人道主義者」と称賛したことに対し、21日、批判の声が上がった。
特使の発言とその背景
ウィットコフ氏は、ロシアが拘束していた米国人スティーブン・ハバード氏の解放を実現するため、ロシア北西部サンクトペテルブルクでプーチン氏と会談した際に発言した。
ウィットコフ氏はハバード氏の解放に言及し、「あなたは私の大統領であるトランプ氏を人道主義者だとよく言っているが、あなたもまた人道主義者だ。敬意を表する」と述べた。さらに「あなたを称賛するとともに、改めて感謝する」と続けた。
ロシア側の反応と周辺の動き
ロシア大統領府(クレムリン)はウィットコフ氏とプーチン氏の会談後、ロシアはウクライナでの戦争終結に向け、ウクライナ、米国との3か国協議を原則として再開する用意があると発表した。
だが、ウィットコフ氏の発言は、トランプ氏が最近、ウクライナから距離を置き、第2次世界大戦以降の欧州で最大規模の戦争を始めたプーチン氏に接近する姿勢に転じたことへの監視の目がますます厳しくなる中で飛び出した。
米国内の反応
ここ数か月、トランプ氏をたびたび批判してきた共和党のトム・ティリス上院議員は、驚きをあらわにした。ティリス氏はX(旧ツイッター)に「なんてこった。スティーブ、『人道主義者』の意味を調べてみろ」と投稿した。
一方、トランプ氏はウィットコフ氏の発言を問題視しなかった。ウィットコフ氏はトランプ氏の長年の友人で、トランプ氏が昨年大統領に就任した後、ウクライナ、イラン、パレスチナ自治区ガザ地区の紛争を担当する特使に任命された。
トランプ氏はウィットコフ氏の発言について問われ、「まあ、その特定の目的に関しては、そう言えるかもしれない。終身刑になるだろうと思っていた男性を解放したという意味では」と述べた。その上で、「だが、まあ、私なら肯定も否定もしないだろう」と付け加えた。
J・D・バンス米副大統領は、ウィットコフ氏の発言を擁護した。バンス氏はオハイオ州でのイベントで、「米国人の人質を解放したばかりの人物に対し、スティーブ・ウィットコフ氏が好意的な言葉を掛けたことには賛成だ」と述べた。さらに「その言葉の根底にある感情に賛成するかどうかは別として、スティーブ・ウィットコフ氏は外交官だ。現地に赴き、任務を遂行するのが彼の仕事だ」と付け加えた。(c)AFP