トランプ次期米大統領が掲げる関税強化策により、日本経済への影響が懸念されている。特に自動車、鉄鋼、半導体の各産業が標的となり、日本の輸出産業に打撃を与える可能性が高い。
自動車輸出が最大30%減少か
日本自動車工業会の試算によると、米国が日本製自動車に25%の関税を課した場合、日本の対米自動車輸出は最大30%減少する見込みだ。これにより、日本の国内総生産(GDP)は約0.5%押し下げられると分析されている。トヨタ自動車やホンダなど主要メーカーは、米国での現地生産を増やすことで対応を迫られている。
「米国第一主義を掲げるトランプ氏は、貿易赤字削減に強い意欲を示している。日本は自動車分野で最大の黒字国であり、標的にされるのは避けられない」と、経済産業省の幹部は指摘する。
鉄鋼・アルミにも追加関税の動き
トランプ前政権時代に発動された鉄鋼とアルミニウムへの追加関税(232条関税)は、バイデン政権下で一部緩和されたが、トランプ氏は再び厳格化する方針だ。日本鉄鋼連盟によると、2018年の関税発動時、日本の対米鉄鋼輸出は前年比約20%減少した。今回、関税が再強化されれば、鉄鋼メーカーはさらなる輸出減少に直面する。
「鉄鋼業界は関税の影響を非常に深刻に受け止めている。米国市場へのアクセスが制限されれば、国内生産の縮小や雇用への悪影響が懸念される」と、日本鉄鋼連盟の広報担当者は述べた。
半導体分野でも規制強化の可能性
半導体分野では、トランプ氏は中国への先端半導体輸出規制を強化するとともに、日本を含む同盟国にも同様の規制を求める可能性がある。また、米国内での半導体製造を促進するため、外国製半導体への関税を検討しているとの報道もある。日本の半導体メーカーは、米国向け輸出が減少するリスクに直面している。
半導体業界の専門家は「日本は半導体製造装置や材料で強みを持つが、最終製品の輸出にも影響が出る可能性がある。米国市場向けの売上高が減少すれば、研究開発投資にも影響が及ぶ」と警鐘を鳴らす。
日本政府の対応と今後の見通し
日本政府は、トランプ政権との貿易交渉を早期に開始する方針だ。官房長官は記者会見で「関税措置が日本経済に与える影響を最小限に抑えるため、あらゆる手段を講じる」と述べた。具体的には、米国からのエネルギー輸入拡大や防衛装備品の購入増加など、貿易不均衡を是正する提案を行うとみられる。
しかし、トランプ氏が日本に対して強硬姿勢を崩さない場合、自動車や鉄鋼、半導体以外の分野にも関税が拡大する可能性がある。日本の輸出企業は、サプライチェーンの見直しや米国での現地生産拡大など、対応策を急いでいる。



