ドナルド・トランプ次期米大統領は、不法移民の強制送還を推進するため、軍を動員する計画を明らかにした。トランプ氏は18日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で「次期政権は、不法移民の記録的な強制送還を実施するために軍の投入を含む国防総省の全面的な協力を得る」と投稿した。
国防総省との連携と法的根拠
トランプ氏は、不法移民の国外退去を「国家的緊急事態」と位置づけ、国防総省と緊密に協力する方針を示した。具体的には、1798年に制定された「外国敵対勢力登録法(Alien Enemies Act)」の活用を検討している。同法は戦時などに大統領に敵対外国人の強制送還を認めるもので、トランプ氏はこれを用いて麻薬密売人やギャング構成員の摘発を目指すとしている。
トランプ政権移行チームの広報担当者は「トランプ氏は不法移民の流入を阻止し、国家安全保障を回復するためにあらゆる手段を行使する」と声明を発表した。
過去最大規模の強制送還作戦
トランプ氏は、過去最大規模の国外退去作戦を実施する意向で、軍の輸送機や基地の使用も視野に入れている。これに対し、移民権利団体からは「軍の国内活動は法律違反だ」との批判が上がっている。米国では、1878年の「ポッセ・コミタトゥス法」により、軍隊の国内での法執行活動が原則禁止されているが、トランプ氏はこの制限を解除する可能性を示唆している。
一方、国防総省はこれまでのところ公式なコメントを控えている。専門家は、軍の動員には法的なハードルが多く、実現には議会の承認が必要になる可能性が高いと指摘する。
移民強硬派の支持と批判
トランプ氏の強硬な移民政策は、支持基盤である保守層から歓迎されている。しかし、民主党や人権団体は「人権侵害だ」として強く非難している。トランプ氏は2024年の大統領選挙で、不法移民対策を最重要公約に掲げており、就任後即座に行動に移す構えだ。
米国国境警備隊の統計によると、2023年度の不法移民の逮捕件数は約240万件に上り、過去最高を記録している。トランプ氏はこの状況を「侵略」と表現し、厳しい措置を正当化している。



