大阪都構想の早期議論が維新党内の反発で頓挫 法定協議会設置議案は継続審査に
大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)が推進する大阪都構想の3度目の住民投票実現に向けた動きが、党内の反発により早期の議論開始が困難な状況に陥っている。府議会は24日、都構想の制度設計を行う「法定協議会」の設置議案を継続審査とすることを決定した。吉村知事は出直しの知事選を仕掛けて都構想の機運を高めようとしたが、党内の足並みが揃わず、想定していたスケジュールに遅れが生じている。
法定協議会設置議案の審議が府議会で継続審査に
大阪都構想は、現在の大阪市を廃止し、複数の特別区に再編する大規模な行政改革案である。吉村知事は今年2月、横山英幸大阪市長(維新副代表)とともに出直しダブル選を実施し、それぞれ再選を果たした。この選挙戦を通じて、都構想の再挑戦に向けた環境整備を図った。
吉村知事は、自身の知事任期が満了する来年4月までに3度目の住民投票を実施することを想定しており、そのためには速やかに法定協議会の設置が必要だと訴えていた。当初の計画では、府議会と市議会の両方で設置議案を可決させ、今年4月にも制度設計の協議を開始したいと考えていた。
維新市議団の反発で「府議会先行」方針が転換
しかし、日本維新の会の大阪市議団が、前回の統一地方選で都構想を公約として掲げていなかったことなどを理由に、早期の議案提出に反発。このため、現在開会中の市議会への設置議案の提出は見送られることになった。
吉村知事や、府議会で過半数を占める維新府議団は当初、府議会単独で先行して設置議案を可決させる方針を検討していた。しかし、市議団の感情や党内の結束を考慮し、継続審査として市議会との足並みをそろえる方針に転換した。
維新市議団は今後、市内全24区で市民との対話集会を実施したうえで、法定協議会への対応について協議する方針を示している。ただし、市議団が早期の議案提出に賛成に転じるかどうかは不透明な状況が続いている。
住民投票実施の「最終期限」は来年5~6月か
吉村知事は、来年4月までの住民投票実施を実現するためには、5月から6月にかけて開催される府市両議会での判断が「最終期限」になるとの見通しを示している。法定協議会の設置が遅れれば、制度設計の協議期間が短縮され、住民投票の実施自体が危ぶまれる可能性も出てくる。
大阪都構想は2015年と2020年に住民投票が実施され、いずれも反対多数で否決されている。3度目の挑戦となる今回、吉村知事は政治的な駆け引きを重ねて実現を目指してきたが、党内調整の難しさが改めて浮き彫りになった形だ。
今回の継続審査決定は、大阪の行政改革をめぐる政治的な駆け引きが、党内の意見対立によって思わぬ曲折を迎えたことを示している。今後の市議団の動向や、市民との対話集会の結果が、都構想の行方を左右する重要な要素となるだろう。



