大学理系転換基金、1100億円積み増しへ 早慶上智など11校が利用意向
理系転換基金1100億円積み増しへ 早慶上智など11校が利用意向

文部科学省が、文理横断の学部再編などを支援する大学の理系転換基金を1100億円積み増す方針であることがわかった。2027年度予算の概算要求に盛り込む。支援の枠組みも改め、特に首都圏や大都市の大規模私立大が基金を利用しやすくすることで、改革を促す。早慶上智など11校が使う意向を示している。

基金の現状と積み増しの規模

基金は2022年度に約3千億円で作られ、2025年度の補正予算で200億円積み増された。これまでに272件が採択され、女子大初の理工学部や、スマート農業を学べる学部を新設するための費用などに使われてきた。現在約1千億円残っており、要求が通れば合わせて2千億円規模になる。

新たな支援枠組みと対象校

27年度からは、①大規模私大の理系転換、②高専の新設など体制強化、③AIや半導体など17分野の人材育成――を進める取り組みに基金からお金を出す。①と②は1校あたりの最大支援額はそれぞれ80億円と40億円。③は最大10億円とする。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

①は、首都圏や大都市圏で「長い伝統を有し選抜性の高い」学校を想定。基金を使う条件として、理系学部の入学定員を150人以上増やし、その分文系学部の入学定員を減らすことなどを掲げる。

文科省によると、現時点で早稲田、慶応、上智、学習院、明治、青山学院、中央、法政、関西学院、関西、立命館の11校が基金を利用する意向を示している。慶大は文理融合のダブルメジャー(複数専攻)の実施、関西学院大は文理融合学部の新設などを検討しているという。

理系人材不足への対応

基金の新たな枠組みは一部の大学を想定して作られるが、文科省は、日本の大学をリードする大規模私大が率先して構造改革をすることで、理系人材の育成が進むとの考えだ。

経済産業省の推計によると、2040年にはAIやロボットなどの活用を担う人材が339万人、大学や大学院卒の理系人材が124万人不足するとされる。一方で、急激な人口減少により、2024年に約63万人だった大学進学者数は、2040年には約46万人まで減ると推計されている。

文科省は、人材ニーズに合わせた大学の構造改革を進めるため、2040年までに理工農系や保健系を専攻する学生の割合を今の35%から52%に増やし、人社系の学生を今の46%から34%に減らすことを目指している。同時に、1人の教員が教える学生数を減らすなど、教育の質の向上も進めたい考えだ。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ