沖縄県知事選は新顔の古謝玄太氏(42)と現職の玉城デニー氏(66)の事実上の一騎打ちとなった。これまで「基地か経済か」という困難な選択を沖縄県民は選挙のたびに迫られ、分断されてきた。しかし今回の選挙戦では、その構図に変化の兆しが見えている。
「基地問題で何を言っても変わらない」という諦め
名護市にある名桜大の屋良健一郎教授は歌人でもある。かつて、こんな詞書(ことばがき)つきの歌を詠んだ。
「空欄に入る言葉として最も適当なものはどれか。①か②のどちらか一つを必ず選んで、解答欄にマークしなさい。問、公園にブランコが欲し欲し□□□□□□□の候補に投ず ①けれど基地反対 ②ければ基地容認」
大学を訪れると、屋良さんの答えは、やや意外だった。「あまりそういう感覚はないかもしれませんね。というのも、基地問題で何を言っても変わらないという諦めみたいなものが、広がっている感じがして」
玉城氏の演説に「辺野古」の言葉なし
選挙戦で印象的だった場面がある。先週末の5日、玉城デニー氏は大勢の支持者らを前に、県庁前で15分ほどマイクを握った。沖縄経済は好調だと腕を振りあげ、「誰ひとり取り残さない」という陣営のスローガンを訴えた。しかし辺野古という言葉は、結局一度も口にしなかった。
選挙戦最終日には、候補者らの演説をスマホで撮影する有権者らの姿も見られた。
「歴史の歯車」はどう動くのか
基地か経済か。どちらかの答えを出せ、と沖縄県民は選挙のたびに迫られ、分断されてきた。今回の知事選は、その構図に変化が生じていることを示すものとなりそうだ。



