災害に備えて首都の代替地を東京都以外に整備する「副首都構想」で、大阪府の吉村洋文知事(日本維新の会代表)と北海道の鈴木知事が31日に会談し、副首都指定を目指して連携することを確認した。全国に先駆けて締結した協定は、両地域が互いの強みを生かして新たな投資や人材を呼び込むことなどをうたう。府と道は今後、指定実現に向けた協議を事務レベルで進める見通しだ。
協定の内容と両知事の会談
協定では、大阪と北海道はともに東京との同時被災の可能性が低く、人口や国内総生産(GDP)でも有数の規模で「副首都にふさわしい高いポテンシャルを有する」と強調。相互に協力して協議する内容として、経済拠点を分散させるための起業支援のあり方など5項目を示した。
両知事はこの日、札幌市中央区の道庁赤れんが庁舎で会談。協定書に署名した後、鈴木知事は「大阪府はもの作りなどを牽引している。北海道は食料、エネルギーの供給に貢献している。それぞれが補完、協力しながら日本の成長に貢献するのは大変意義がある」と述べた。吉村知事も「1足す1は3にも4にもなる。共に副首都を目指していきたい」と応じた。
吉村知事の意気込みと今後の見通し
締結式後、吉村知事は報道陣の取材に「振り返ればあのときが副首都の歴史の第一歩だったとなるぐらい、気合を入れて頑張りたい」と意気込みを語った。副首都構想の関連法は、吉村知事が代表を務める維新が成立を主導。国会審議で「大阪ありき」の維新のための法案だとして批判を浴びたことに触れ、「副首都の趣旨や目的、役割を考えると、大阪だけでは無理だ。福岡にも目指してほしい。日本全体で考えるべき課題だ」と強調した。
吉村知事が「大阪ありき、全然ちゃうよ」と発言して取材が終わると、2人の知事は握手を交わして会場を後にした。同構想の関連法は7月に成立した。副首都は道府県の申請を基に、首相が指定する。指定要件を決める政令は10月末にも制定される見通しだ。
来春の知事選への見解
日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)は31日、任期が来春までの鈴木知事が3期目を目指すべきか見解を問われ、「これからも連携してやっていければと思うし、鈴木知事もそう考えてくれていると思う。副首都というのは、長い目で見る必要がある政策だ。鈴木知事と僕自身も連携してやりたいと思う」と話した。
副首都指定を目指す連携協定の締結式後、札幌市内にある北海道維新の会の事務所で報道陣の取材に答えた。吉村氏の大阪府知事としての任期も来春までで、府知事選には既に出馬を表明している。鈴木知事は来春の知事選について態度を明らかにしていない。
吉村氏は、道と協力して副首都指定を目指す札幌市の秋元克広市長が来春の市長選に出馬しないとみられることにも触れ、「新しく札幌市長になる方には、やはり共に副首都を目指していく人であってほしいと思う」とも述べた。



